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あんな演奏を聴いた後では、上達できる可能性は低い。
なのですっぱり諦めて貰うため即答すると、セベクは見事に噛み付いてきた。
まぁ、無視するけど。

「イデアさんもなにか演奏してくれんか?上手でも下手でも、かまいませんから」
「は?いきなり無茶ぶりされましても……」
「そんなことを言わずに。さあさあこちらにどうぞ」
「うわっ、やらなきゃ終わらない雰囲気……。はぁ、面倒くさ……。セベク氏、バイオリン貸して」
「バ、バイオリンを?わかった」
「はあ…………いくよ?」

セベクは驚きながらもバイオリンをイデア先輩に渡す。
直後、流れたのは見事な演奏だった。

「うにゃにゃ!?めちゃくちゃ上手いんだゾ!」
「若様……ほどではもちろんないがその次程度には素晴らしい音色だ!」
「プロみたいな音!すごい!イデアサンにこんな特技があったなんて!」
「ふふ。みなさんよく見てください。弓の動きと音がずれてはいませんか?」
「……あー!スマートフォンから、バイオリンの音源を流してる!!」
「せっこい!!」

まあ知ってたけど!イデア先輩にそんな特技ないことくらい!

「はあ〜〜!?ズルなんだゾ!!」
「ふひっ、高解像度デジタル音源ですぞ」
「上手く聴こえて当たり前ですね。まんまと騙されました……」
「一瞬でもイデア先輩をすごいと思った自分が情けない……」
「ボタン1つでプロの演奏音源が再生できるんだから、苦労して楽器を練習する意味なんてないでしょ」
「謝れ。今すぐ全世界の音楽家に謝れ」

あまりの暴論にそう言っていると、グリムはステッキを持って打楽器が置かれたエリアに向かっていた。

「オレ様、シンバルを叩くんだゾ!」
「え!?それはダメ!!」

私の制止虚しく、グリムはシンバルをバンバンバン!!!と叩く。
金属特有の音が、集会所全体に響き渡る。

「う、うるさい!室内でシンバルを連打するな!」
「もっとゆっくり叩いて!」
「へっへーん!そんなのオレ様の性に合わない!」

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ブロッサム(プロフ) - 誤字報告ありがとうございます! (2023年3月1日 21時) (レス) id: 998eeca7c7 (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 続き、15ページエペルのセリフ『開催する年』が『開催する都市』になっています。 (2023年3月1日 17時) (レス) id: d9657aee6a (このIDを非表示/違反報告)
ミア - いくつか訂正があります。イベントストーリー25、42ページ『型紙』が『髪型』になってます。 44ページのイデアのセリフ『しゃあなし』が『じゃあなし』 イベントストーリー26、5ページのエペルのセリフ『モルン山で採れる木』が『気』 に (2023年3月1日 17時) (レス) @page22 id: d9657aee6a (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - ありがとうございます! (2023年2月23日 15時) (レス) id: 998eeca7c7 (このIDを非表示/違反報告)
NA - 面白いです!続きも頑張ってください!応援してます! (2023年2月23日 15時) (レス) id: 9c547ad202 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ブロッサム | 作成日時:2023年2月21日 1時

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