EPISODE5-15 決して目を離すなよ ページ37
楽しかったパーティーは、終わりに近づいていた。
料理もなくなり、音楽が止むと、グリムが眠たそうに目を擦った。
「ふな〜〜……オレ様、踊って、飯食って、踊って、飯食って……疲れてきたんだゾ。ずっと起きてたから、もう眠くて眠くて……」
「そういえば、本当ならもうとっくに朝なのよね」
いくら時が止まっているとはいえ、グリムの体感時間ではオールナイトを送っている。
あんなにはしゃいだけど、もう限界なのだろう。
「オイ、A……食える時に食えるだけ食っとくんだゾ……むにゃむにゃ…………ぐう」
「寝ちゃったみたい」
「なんつー寝言だよ」
眠ったグリムを抱き上げると2人が呆れた顔をする。
それと同時に、周りのゴーストたちが淡い光を纏いはじめた。
「楽しいときも、永遠には続かないもの……」
「名残惜しいですが……そろそろお開きにせねばなりませんな」
「私たちも今年はたくさんたくさん働いて疲れてしまったわ。来年のハロウィーンまで眠ることにします」
消えゆくゴーストたちを見て、ツノ太郎は静かに訊いた。
「ゴーストたちよ……今宵のパーティー、満足できたか?」
「もちろんでございまする!!!」
「こんなに楽しいハロウィーンパーティーは、生まれて……からそのあとも通して、初めてだったよお〜!!」
「ボクたちも、とても楽しい夜を過ごせたよ」
「名残惜しいけれど、『もう少しだけ』と惜しまれながらの幕引きが、一番美しい」
「貴重な機会をくれたこと、感謝する」
散々な目に遭いながらも、お礼を告げる3人に、ゴーストたちは笑みを浮かべる。
「みんな……こちらこそ、本当にありがとう。ここでゴースト友だちもできたし、もう寂しくないよ!」
「今年のハロウィーンのことは、ずっとずーっと忘れませぬ。……キミたちも忘れないでおくれ」
「いつか絶対に、また会いましょう〜〜〜〜!」
「「「さようなら〜〜〜〜!」」」
光が弾けるように、ゴーストたちは消えていく。
彼らは来年のハロウィーンまで、ずっと眠り続ける。
でも、今日という日は忘れない。
生者がゴーストの世界にやってきた、前代未聞のハロウィーンパーティーのことを。
「……では僕たちも元の世界に帰るとしよう」
「帰り道は知っているのかい?」
「もちろんだ。皆、頭上のミラーボールを見ろ。決して目を逸らすなよ……それっ!」
ツノ太郎の言葉に全員がミラーボールを見る。
すると彼はミラーボールに魔力を注いだ瞬間、視界が白一色に染まった。
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ブロッサム(プロフ) - 訂正報告ありがとうございました! (2022年11月28日 15時) (レス) id: 998eeca7c7 (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。28ページの夢主の名前が変わってないです。 (2022年11月28日 14時) (レス) @page28 id: 3572a0fce1 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - そこはまだ考えてないので、お楽しみに! (2022年11月27日 18時) (レス) id: 998eeca7c7 (このIDを非表示/違反報告)
ミア - やった!嬉しいです!そういえば、ロロが夢主を月虹の魔女の子孫だと知ったらどんな反応する予定ですか? (2022年11月27日 17時) (レス) @page26 id: 3572a0fce1 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - その予定です! (2022年11月27日 16時) (レス) id: 998eeca7c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ブロッサム | 作成日時:2022年11月14日 23時