EPISODE2-11 オマエらはしゃぎすぎ ページ36
写真撮影を終えると、トレイ先輩はふと思い出しながら言った。
「衣装の話に気を取られていたが、カリムの家の中もすごかったな」
「ホントホント！少し入っただけだけど、圧倒されたよ〜」
「ぶっちゃけ、スカラビアより豪華だったわ」
「ふ〜ん。どんな感じだったんだ？」
カリム先輩の家に興味を持ったのか、グリムが問いかけるとみんな答えてくれる。
「あそこの大きな門を開けると、見たことがない規模の大広間があるんだ」
「あんまり広いから、思わずトレイくんと踊っちゃったよ！」
「いきなり社交ダンスし始めたからびっくりしましたよ」
「オマエらはしゃぎすぎなんだゾ」
「俺は踊っていない！ケイトに巻き込まれただけだ！」
グリムが呆れてジト目を向けると、トレイ先輩は慌てて否定した。
たしかに、あれは踊ったというか踊らされたが一番的確ね。
「とにかく、めちゃくちゃ豪華！キラキラして、ピカピカして、まぶしいの！」
「ケイト先輩、語彙力なくなってません？」
「金を多用した、きらびやかな装飾だった。茨の谷の知ろとはかなり趣が違ったな」
「でも、そんな所に、けーくんたちの荷物を置けないでしょ？どうすればいいのか尋ねたら……なんと、宝物庫を通されたの。そこには、目がくらんじゃうほど金ピカな財宝が、山みたいにドーンと積まれていてさ」
「そんな場所に、俺たちのバックが置かれるんだ。違和感が凄かったな」
「スカラビアの宝物庫より凄かったですね。でも、それにしてはまだ年季が経ってなかったような……」
「あの宝物庫は、今年建てられたばかりの、新しいものですよ」
え？今年！？
なら、年季が経ってのないのは当然よ！
「……っていうことは、ああいう宝物庫がいくつもあるの！？」
「えぇ、10個以上は」
「「「「そんなに！」」」」
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2021年11月11日 17時
