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「街に行けば、手頃な値段の物がありますから、そこで選んでみてはいかがでしょう」
「そうだな。身の丈にあったものを探してみるよ」
「これ、ターバン以外にもありますか?」
「そうだな……ストールとか色々あるな。君も気に入った物があれば買うといい」
「そうします」
実際、このシルクはとても触り心地がいい。
もしいいのがあったら、普段使いできるものを買ってみよう。
「着替えも数人がかりで手伝ってくれたし、王様になった気分だったな〜♪」
「あぁ、滅多に出来ない経験だったな」
「え?私はお風呂に入らされて、マッサージされてましたけど……?」
「Aちゃんはほら、女の子だからね」
「ああ。女の子は綺麗になったほうがいいだろ?」
私がされた支度を思い返すと、ハーツラビュル組はそう返された。
たしかにその通りだけど……なんだろう、釈然としない。
「……リリアも、ここにいたら喜んだことだろう。一緒に来られなくて残念だ」
「あ!それなら写真を送るっていうのはどう?マレウスくんが楽しんでる姿を見たらリリアちゃんも嬉しいと思うし……一緒に旅行してる気分になるんじゃない?」
「写真か……。僕はあまり馴染みがないのだが」
「これも腹痛で苦しんでるリリアちゃんを喜ばせるためだって」
「ふむ……ならば撮ろう。リリアのためにも、記録は残さなければな」
「そうこなくっちゃ!」
ケイト先輩に勧められて写真を撮ることを決めたツノ太郎。
するとカリム先輩がある提案をする。
「リリアに見せるんなら、ケイトたちも一緒の集合写真のほうがいいんじゃないか?みんな、せっかく着替えたんだしさ!オレが撮ってやるから、そこに並べよ。トレイも、ジャミルも、Aも!」
「はい!」
カリム先輩の提案に乗り、一緒に写真を撮る私たち。
彼はケイト先輩だけでなく、念のために渡した私のスマホでも写真を撮ってくれた。
「……やっぱオレも一緒に写真撮りたくなってきた!写真撮ってくれる人探してくるから待っててくれ!」
結局、カリム先輩が専属のカメラマンを呼んで、しばらくアジーム邸で写真大会が始まってしまった。
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作者名:ブロッサム | 作成日時:2021年11月11日 17時