【ツイステ】魔に愛された少女はねじれた世界を生きる Event Story16 (ページ31)

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No side

Aたちが着替えている間、グリムは車の中でカリムが用意したお菓子を頬張っていた。

「もぐもぐ……。このチュロスみてーな揚げドーナッツ、冷たくてウマい！」
「オレも大好きなんだ。シロップがかかってて甘くておいしいよな」
「濃いアイスティーに、ピッタリなんだゾ。もぐもぐ……」
「街にはまだまだ、ウマい料理がたくさんあるんだ。いっぱい食べていってくれよな」
「おう！食べることならオレ様に任せるんだゾ！」

すっかり熱砂の国のグルメに夢中になるグリム。
今もお菓子をむしゃむしゃと食べる彼をカリムがにこにこ見ていると、家のほうから見覚えのある面々が現れる。

「待たせたな、カリム。着替え終わったよ」

現れたのは、カリムとジャミルが用意した伝統衣装を身に包むトレイ。
彼の髪より明るい緑の襟に合わせの青が見事に調和している。

「こんな豪華な衣装を用意してくれたとはな。驚いた」
「おー！よく似合ってるな、トレイ！」

次に現れたのはケイト。
合わせは赤、腰布はオレンジと活発な彼によく似合う。

「着るだけで気分上がっちゃう、素敵な衣装だね～♪メチャクチャ映えるから、何度も自撮りしちゃった！」

3人目はマレウス。
合わせも腰布も紫を基調としており、ミステリアスな雰囲気を醸し出していた。

「他国の伝統衣装を着ることができるとは……貴重な体験だ。心躍るな」
「みんな同じ柄なのに、色が違うと随分と印象が変わるよね。個性が出て面白いなあ。それに……マレウスくんが黒以外の服を着てるって、なんか新鮮♪」
「どこかおかしいか？」
「んーん、すっごく似合ってるよ。イメージにはなかったけど、鮮やかな色もバシッと着こなせちゃうなんてさすが！」
「ふふ。世辞だとしても悪い気はしない。ダイヤモンドも、華やかな色がよく似合っている。明るくてまるで火花のようだ。目を引く」
「ええー…マレウスくん真顔でそんなこと言っちゃう？そこまで褒められると、さすがに照れちゃうかも。でもかなり嬉しい。ありがと♪……あ。そこでちょっと恥ずかしそうにしてるトレイくんも、もちろん格好いいよ☆」
「ははは……ありがとう」

各々が伝統衣装を着て褒め合い、喜ぶとこを見てカリムは嬉しそうに笑う。

「みんなに喜んでもらえたみたいで、嬉しいぜ」
「俺も伝統衣装を着るのは久しぶりだ」

そう言って出てきたのは、ジャミル。
他の3人とは違い、花火を刺繍された黒に近い紺色と深紅を基調とした衣装を着ていた。