EPISODE2-7 プライベートパーク ページ25
ようやく2人が噴水から離れて一緒に遊歩道を歩いていると、ケイト先輩はあるものを見つけた。
「……あ、公園の奥の芝生にラクダがいる!」
「あ、本当だわ」
「驚いたな。象もキリンもいるじゃないか」
「昔は、ラクダを移動手段として使っていました。酷暑でも長距離を歩き続けられますから。今では観光客を乗せての名所巡りがほとんどですね。象やキリンがいるのもそのためです」
それはいいけど……こんな大胆に放し飼いして大丈夫なの?
「無料で入れる公園なのに、まるで動物園やテーマパークみたい。熱砂の国の公園って、他もみんなこんなカンジなの?」
「いいえ、このアジーム公園が特別なだけで、他は普通ですよ」
「「「「……んっ?」」」」
あれ、おかしな。聞き間違いかしら?
今……“アジーム”公園って言った??
「今、アジーム公園と言っていたが……」
「もしかして、ここって……?」
「はい、この辺りは全部、アジーム家の私有地になります」
「「「「え――――っ!?」」」」
この公園とあの宮殿みたいな家を含めて私有地!?
常識が!常識が消えていく!
「つまり、この公園はカリムの家の持ち物ってことか!?」
「これがプライベートパーク……信じらんない広さ!」
「公園を歩けば、カリムの家に着くのも、当たり前だな……」
「もうアジーム家の土地に入ってるんですからね……」
「っていうかもうここもほぼカリムくんの家じゃない?」
「随分と明るく開放的な庭だな」
ツノ太郎、お願いだから『庭』の一言で片付けないで!
「ここは、アジーム邸から近いので、休憩時間はよく来ましたよ」
「仕事の合間の息抜きだね。なにをしてたの?」
「特に……木陰でぼんやりと休んでいました」
「えー?よくダンスの練習をしていたじゃないか?」
「あれ?さっきと言ってること違ってますね」
「…………待て」
本人が言ったことと反対のことを言ったカリム先輩に首を傾げると、何故かジャミル先輩が低い声を出した。
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作者名:ブロッサム | 作成日時:2021年11月11日 17時