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あの傘、あなたのために用意したのに、そんな言われ方したらジャミル先輩がはしゃいだみたいになるじゃない。
「ジャミルは、こんなに晴れている日でも、傘を持ち歩いているのか……」
「さっすが、用意周到だね〜」
「わかるぜ!噴水って見てるとワクワクするよな!オレ、子どもの頃は、ジャミルと一緒にここで水遊びをしたんだ〜」
「あぁ。俺が、濡れたお前を拭くタオルや、着替えの服を用意してな」
「さっきの傘は、カリムが濡れないようにするためだったのかもな……」
「彼の苦労性は昔かららしいですね」
なんとなくオーバーブロットしてしまった原因の一端を見てしまい、非常に複雑になった。
「噴水で、孔雀の尾羽を表現しているのか。よく出来ているな」
「毎時間、勢いよく水が吹き出します。特に、夜にはライトアップされていて、カラフルな孔雀のように見えますよ」
「面白い趣向だな」
「夜にもう一度ここに寄るのもありね」
ライトアップされた孔雀の姿を想像していると、グリムがもぞもぞと前足で全身を触る。
「ふなぁ……さっき、海水の運河に落ちたから、身体がべとべとで気持ち悪い……。もう我慢できないんだゾ!!」
「え、グリム!?」
そう言った直後、グリムは噴水の中へ入っていった。
ザパ―――ン!と運河の時のように水柱ができた。
「あーっ!グリちゃんが噴水の周りの池に飛び込んだ!」
「わははは!冷たくて気持ちいい!」
「もう……グリム、こっちおいで。汚れ落としてあげる」
「おう!頼んだゾ!」
すぐさまグリムのそばに行き、いつもお風呂の時のように身体をマッサージするように汚れを落とす。
運河に入った時に毛の中に紛れた砂とか出てきたから、これは念入りに落とさないとダメね。
「ったく……。さっき、拭いてやったばかりだというのに……」
「楽しそうだなー!よし、オレも……」
「やめろ!これ以上、面倒ごとを増やすな!」
グリムのように噴水に入ろうとしたカリム先輩を、ジャミル先輩が怒声を上げながら止めるのだった。
EPISODE2-7 プライベートパーク→←EPISODE2-6 俺が傘をさします!
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作者名:ブロッサム | 作成日時:2021年11月11日 17時