EPISODE2-6 俺が傘をさします! ページ23
リムジンは賑やかな街から、緑の多い公園に入った。
「緑が多くなってきたな。さっきまでの街の喧騒が嘘のように静かだ」
「オイ!でっかい公園が見えてきたんだゾ!」
「本当ね。広々としてて綺麗ね」
「みんなで散歩してみるか?ここを通り抜ければ、すぐにオレの家なんだ〜」
「あ、それいいね。綺麗な公園だし、いい写真撮れそう♪」
「わかりました。車を止めてもらって、ここからは歩いて向かうことにしましょう」
多数決によって公園でリムジンから降りることになる。
リムジンから外に出ると、むわっと蒸し暑い空気が襲ってきた。
「車の外は、やはり暑いな」
「あぁ。遊歩道に屋根があって、助かったよ。日陰の場所を、快適に散歩できる」
「この道をまっすぐに歩いて行けば、オレの家に着くんだ!」
「へぇ。それはわかりやすいな」
「あ、噴水がある。涼むのにちょうどよさそう。孔雀の彫刻も、かっこいいじゃん。マジカメ映えしそう♪」
「スカラビア寮で見た噴水と似てるわね」
孔雀の尾羽の部分から水が溢れ出す噴水。
スカラビア寮と似ているそれを見ていると、彫刻に目がないツノ太郎が反応を示す。
「おぉ!この噴水彫刻は見事だな。ガーゴイルではないが、興味深い。もっと近くで観察するとしよう」
「あ!マレウス先輩、濡れてしまいますよ!」
トコトコと噴水に向かうツノ太郎を、ジャミル先輩が後を追う。
「俺が傘をさします!少々お待ちを……」
「ジャミル先輩、その傘どっから出したんです?」
いつの間にか傘を持っているジャミル先輩に疑問を抱くも、彼は無視し噴水へ向かう。
だけど。
「……ん?噴水の水しぶきがマレウス先輩をよけている!?」
「この程度魔法で造作も無い」
「さすがね」
噴水の水は見事にツノ太郎をよけていて、逆にジャミル先輩が濡れていく。
……完全に空回ったわね、先輩。
「それより大丈夫かバイパー。濡れねずみのようだ。いくら暑くてもそのままでは風邪を引くぞ」
「ツノ太郎、それあなたが言っちゃダメなやつ」
「?」
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作者名:ブロッサム | 作成日時:2021年11月11日 17時