EPISODE5-15 そろそろ終わらせよーよ ページ37
ラギー先輩の虎の子の魔法石を使ったことで、先輩たちは学園にいる時と変わらない強さを見せつける。
これは出番はないと思い、杖をマジカルペンに戻した。
「……先輩たち、やっぱすげーわ」
「ああ……あのバケモノ、前と同じくらい……いや、それ以上強くなっている気がするのに……」
「先輩たちが、押している!」
「さすがね。1人は寮長、残り2人は同等のレベルを持ってるから、あれくらいたいしたことないんでしょうね」
怪物が押されているのを驚愕の目で見るみんなの前で、レオナ先輩はがっかりしたように言う。
「こんなもんか?手応えねぇなあ」
「はぁ……はぁ……」
「どうしたラギー、息が上がってるぞ」
「ほんのちょびっと手こずっただけッス。な〜んの問題もないんで」
息を切らすラギー先輩に発破をかけるレオナ先輩。
それを聞いて、ラギー先輩は強がった笑みを見せた。
「レオナ先輩の魔法は、誰より圧倒的だし……ラギー先輩は、バケモノの攻撃をギリギリまで引き寄せて、うまくかわしてる。やっぱ、2人ともすげえ……!」
ジャックが2人に尊敬の眼差しを向けていると、怪物はさらに雄叫びを上げる。
「ワダサヌ……オデノ……オデノオオオ!!」
「しつけーなー。オレそういうの嫌い。あ、でも降参はなしね。そんなことされたらさあ……つまんねーじゃん!?」
フロイド先輩の風魔法が、容赦なく怪物の胴体に直撃した。
「フロイド先輩もエグすぎる。あんなデカイ魔法を何発も……しかも、的確に急所を狙って……」
「お前たち!年上だからと活躍を譲ってばかりで良いのか!?」
先輩たちの戦闘を食いるように見ていると、セベクが大声で叫ぶ。
「軟弱者どもが。戦う気がないのなら、怪我をする前に下がっていろ!僕が奴を仕留める!」
「……言ってくれるじゃん?」
「……ああ。僕たちだってもう、あの頃とは違うんだ!」
「それじゃ、再戦といきましょうか」
「なんか盛り上がって来た感じ?」
私がマジカルペン、エースたちが魔法石を握りしめるのを見て、先輩たちは挑戦的な笑みを浮かべた。
「トド先輩。コバンザメちゃん。オレもう飽きてきたし、そろそろ終わらせよーよ」
「賛成だ。弱い者いじめを続けるのも気が引けるからなァ」
「……んじゃ、ぶっ飛ばしますか!!」
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作者名:ブロッサム | 作成日時:2021年10月16日 19時