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右手が熱い。
あの虹色の光を放ったせいだと理解するも、私は息を荒く吐き出しながら膝から崩れ落ちる。
「お、おい!大丈夫か!?」
「なんだよ今の……普通の魔法の威力を超えてたぞ……!」
「ふなぁ〜!A〜、死ぬんじゃねーんだゾ〜!」
「か、勝手にっ……殺さないで……!」
不吉なことを言うグリムを小突きながら、しばらく深呼吸を繰り返す。
バクバクと高鳴る心臓も落ち着き始め、ようやく一息を吐いた。
「……ごめんなさい。心配かけたわね」
「いや、それはいいんだが……今のはなんだ?魔法は使えないはずだろ?」
「私にもわからない……学園長に聞くしかないわね……」
昨夜、私は確かに闇の鏡から『魔力はない』と言われたはずだ。
なのに、今のは明らかに彼らが魔法と呼ぶものに等しい。
もしかして、あの力は私がこの世界に来たことに関係している……?
「なんにしても……勝ったわね、私たち」
「よっしゃあ!」
「やったあ!」
「勝利のハイタッチなんだゾ〜!」
「「「イエーッ!!」」」
3人が歓喜のあまりハイタッチを交わす。
そこにはさっきまでの仲の悪さが嘘のような空気が流れている。
「みんなすっかり仲良しね」
「………あっ、ち、違う。別にこれは、そういうんじゃない!」
「そ、そーそー!変なこと言わないでくんない?」
「力を合わせたから勝てたわけじゃねーんだゾ!」
私の言葉に2人と1匹が反論するも、すぐに笑みを浮かべる。
「……って。言い訳すんのもダサいか。悔しいけどAの作戦勝ち、かな」
「……ああ。Aが落ち着いて指示を出してくれたからこうして魔法石を手に入れられた。これで退学させられずに済む。……本当に良かった」
嬉しそうに言うエースに安堵したように言うデュース。
2人の言葉が温かく胸の中に広がり、無意識に口元を綻ばせた。
「そう……力になれたなら、私も嬉しいわ」
「「っ……!」」
そういった直後、何故か2人の頬が薔薇色に染まった。
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だしのもと - 威月さん» 作者様じゃなくてすみません。確かにジューゴに似てる… (2022年4月7日 17時) (レス) @page3 id: bbe118badb (このIDを非表示/違反報告)
威月(プロフ) - これから作品を読み始めるものです。設定を見てすこし思ったことがあってコメントさせていただきます。間違ってたらほんとにごめんなさいなんですけど夢主ちゃん、『ナンバカ』のジューゴを参考にしてますか?目についてや嫌いなものが一緒だったので……… (2022年3月29日 17時) (レス) @page3 id: 4af538b452 (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ - わああああ!!あのメイデーアだ!!(・д・ = ・д・)応援してます!!( ゚Д゚)ゞ (2020年12月29日 19時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 感想ありがとうございます!結構書き残しとか修正とかで内容は変わる時もありますが、応援よろしくお願いします! (2020年10月27日 23時) (レス) id: d825f142fb (このIDを非表示/違反報告)
ウサリボン - ブロッサムさん» この小説大好きです。更新楽しみしてます。 (2020年10月27日 23時) (レス) id: 522e3de4a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ブロッサム | 作成日時:2020年10月26日 2時