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「そんな…」
いづみ「私も最初は断っていたんだけど、話を聞くと、断りきれなくなっちゃって…ごめんね、」
「いや、それは…大丈夫、」
とりあえず、お母さんに電話をかけようと談話室を出て、中庭のベンチに座った。
お母さんに問い詰めると、すぐに帰国をすると言ってきたので、待つことになった。
「…意味がわからない……」
今更お母さんが別にいたなんて、そんなこと言われても…。
私は神崎家で育ったんだから…。
至「おつ」
「…至、」
至「隣いい？」
「あ、うん、」
至は隣に座っても、特に何も話してはこなかった。ただ隣に黙って居てくれた。
…たぶんそんなことをしているうちに1時間ぐらいが経ってしまっていた。
「至、明日仕事でしょ？」
至「そうだけど、」
「私は大丈夫だから、寝て？」
至「Aが大丈夫って言うときは大丈夫じゃないんだよね」
「…」
至「俺のAセンサーなめないでくれる？」
「至って本当、変」
至「え、ヒドス」
「…一緒にいてくれて、ありがとう、至」
至「急に素直」
「今日、至の部屋で寝てもいい？」
至「ベッド狭いけどいい？」
「誰も一緒のベッドで寝るなんて言ってない」
至「え、」
ただ誰かと同じ空間にいないと、"私"が今にも崩れてしまいそうだった。
そのことを察した至は後で私の部屋に来ると言い、私にお風呂に入るように催促した。
…こういう所が、大人だなぁと思う。一緒に居て落ち着く。
お風呂をあがり、至にLIMEするとすぐにドアのノック音が鳴った。
「どうぞー」
私が扉を開けると、至に引っ張られてきた千景の姿があった。
千景「なんで俺まで…」
至「とか言って、先輩、ずっと気にしてたじゃないですか」
家族って何なんだろう…。
血のつながりがなくても心が繋がっていれば家族だって、
そんなことはもうわかってる。
でも、血のつながりがあって、心が繋がっていなかったら…？
至「…い！おーい！A！入っていい？」
「…！あ、ごめん、どうぞどうぞ」
中に入り、それぞれ別々の場所に座ると、千景がポケットから何やら取り出した。
「何それ？」
千景「暗い所で光る星のシール。前IK○Aに行った時食いついてただろ？」
以前一緒に出掛けた際に千景にこういうシール部屋に貼りたいんだよねと話したことがあった。
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作者名：桜 | 作成日時：2020年5月24日 20時
