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順調に撮影を終えNGもなく、時間がかなり巻いたので、翌日の撮影シーンも前倒しして撮影が行われた。
監督「Aちゃんも天馬くんも絶好調だね。この二人をW主演にして正解だったよ」
「「ありがとうございます」」
監督に褒められて、天馬が嬉しそうにしていて、私もすごく嬉しい気持ちになった。
胸キュンのシーンは周りの女性スタッフさんからもアドバイスをもらい、みんなでそのシーンを完成させることができた。
前倒しで撮影を行ったことで、明日のスタジオ撮影の分は全部撮り終えることができたので、学校でのシーンを明日の午前中から一日中撮ることになった。
帰りは井川さんが寮まで送ってくれた。
部屋に着き、携帯を見ると知らない番号からかかってきていた。
「？」
知らない番号だったのでかけ直すことはやめた。
数日間、撮影は全て順調に進んでいて、演技に関しても悩む点は今のところはなかった。
ただ、毎日のように知らない番号からかかって来ることだけは、気がかりで仕方なかった。
撮影を終え寮に着き、天馬と談話室に行くと、いづみ姉と左京さんと知らない女の子と離れたところに至と千景もいた。
「え、こんな夜遅くにどうしたの？」
いづみ「Aちゃん、おかえり」
左京「座ってくれ」
知らない女の子は私の顔をじっと見ていた。
え、誰だ…？
一度も会ったことがない人だけど、何故か、親近感があった。年は私よりも少し下ぐらいだろうか。
「あの…あなたは…？」
？「突然押しかけてごめんなさい………信じてもらえないかもしれないけど、」
その人がその後に続けて放った言葉が衝撃的すぎて、内容が全然入ってこなかった。
話を一通り聞き、その女の子は寮を去って行ったが、私は椅子に座ったまま、動けなくなっていた。
「…え、ちょっと待って、本当に意味わかんない」
私の両親は私の本当の親じゃない……？
私を養子に取った…？
本当の母親は今、入院している…？
「……」
千景「A、」
「千景は、知ってたの…？」
千景「……ああ」
「…なんで言ってくれなかったの？」
千景にあたっても仕方がないことだとわかっていても止められない自分がいる。最低だ。こんな時に八つ当たりだなんて。
千景「Aのお母さんに時期が来たら話すから、それまで秘密にしてくれと頼まれた」
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作者名：桜 | 作成日時：2020年5月24日 20時
