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「…うん、そうなんだよね、私たちは家族だから仕方ないかもしんないんだけど、やっぱりこのドラマを見る人はキュンキュンしたいと思うんだよね…」
天馬「キュ、キュンキュン？！」
「そう。そのキュンキュンの要になる初々しさってどうやって出せばいいんだろ…」
天馬「…す、好きな奴とかいないのかよ」
「んー、」
天馬「…オレのこと好きになれば？」
ん？！
天馬「あ！や、や、役の為にな！その、擬似体験みたいな？なんていうかその、ま、まあそういうやつだ！」
「あー、なるほど」
天馬「彼氏(仮)みたいなもんだ」
「でも週刊誌とか大丈夫？」
天馬「あ、あー、寮内だけでまずやってみようぜ」
「あ、それなら大丈夫そうだね」
天馬「じゃあ、さっそく今日からやるか」
「わかった！よろしくお願いします」
寮に帰宅し、ご飯の準備をしていると、天馬が珍しく手伝ってくれた。まずは一緒にいる時間を長くすることから始めるみたい。
「天馬、大丈夫？」
天馬「オレは何だって出来んだよ」
「人参は食べれないのに？」
天馬「それとこれとは別だろ」
エプロンを片手に綴がやってきた。
綴「お、珍しいな」
「天馬が今日から手伝ってくれるんだって」
綴「料理する役？」
「違うよ」
ぞろぞろとみんなもやってくる。
一成「え、テンテン珍しい〜どうしちゃったの？」
シトロン「明日は雪が降るネ」
珍しい行動に天馬はみんなにいじられてしまう。
天馬「お、お前ら、揃いも揃って…！」
三角「あはは、ごめん〜」
一成「怒んないでよ〜！」
天馬「A！お前も彼女なんだから、こういう時は…」 「「「「「彼女？！！！！」」」」」
至「天馬、今なんてった」
千景「茅ヶ崎、目がマジ」
天馬がうっかり漏らしたワードに天馬はみんなに囲まれてしまった。
私は綴と黙々と調理を続けていた。
綴「…さっきのって」
「あー、役の為にね」
綴「役か」
「恋人感を醸し出したくて…」
綴「あー…A、そういうの疎そうだもんな」
「この間の舞台はキスシーンとかでなんとかいけたけど、今回は映像だし、もっと細かく演じないと嘘だって思われちゃうんじゃないかなって」
綴「あー…」
「それで天馬が、じゃあ実際に体験してみようって」
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作者名：桜 | 作成日時：2020年5月24日 20時
