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紬「…そうだね、」
「紬、なにかあった？」
紬「え？どうして？」
「あのシーン、悩んでるんでしょ？」
紬「！…Aはルキフェルのことどう思う？」
「んー…ルキフェルは悪魔だけど、いつもマルクの魂を助けようとするから、天使みたいだなぁって思うよ」
紬「ルキフェルが天使？」
「うん。どうして何度もマルクの魂を助けるんだろう、」
紬「…うーん、」
「でもそれだけ、ルキフェルもマルクの魂のことを想ってるのかも、」
紬「…なるほど、」
「私はルキフェルとマルクの関係って素敵だなぁって思うよ」
紬「んー、そっかぁ。悪魔でも無機質ではないのか、」
「参考になるかわからないけど、台本を読んだり、稽古を見てると私はそう感じたかな」
紬「うん、もう少し深掘りしてみるよ。ありがとう」
「思い詰めないでね」
紬「うん、大丈夫だよ」
その後はたわいもない話をし、紬とは別れ、天馬と話し合いながら、衣装作りもした。
翌日、大学の授業の合間に以前もらった名刺から雛森さんに電話をした。
Spotlightの記者の中に伊藤さんという方はいないそうだ。
…これはまずいかもしれない……。
でもどこの人かわからない…。
…どうしよう。
天馬「おい！A！もう授業始まんぞ！」
廊下で突っ立っていた私に天馬が教室の入口のとこから顔を出し、呼んできた。
「あ、ごめん！」
私は何事もなかったかのようにその日の授業を受けた。
太一は自主練をする為にダッシュで寮に帰り、私は天馬と寮に帰ることになった。
天馬「……んで、何があったんだよ」
「ん？何もないよ」
天馬「嘘つけ」
天馬ってこういうことは鋭いんだよね。いつもは鈍感なくせに。
天馬「最近変だぞ」
「そうかな？」
天馬「何か悩んでるんだったら話せよ」
まだ何か決定的に起きたわけじゃないしな…。
「んー、そうだなぁ、」
天馬「…」
「天馬はさ、」
天馬「おう」
「…好きな人っている？」
天馬「はあ？！」
「い、いや、役でね！付き合うまでの間とかさ、結構長いじゃん？」
天馬「あ、ああ、役な！」
「その時、私は天馬の役のこと既に好きじゃん？その時の気持ちとかさ、どうなのかなぁって」
天馬「確かに今の読み合わせの段階じゃ、これから恋人になる二人っていうよりは初々しさもないし、どちらかと言えば家族っていう感じだな、」
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作者名：桜 | 作成日時：2020年5月24日 20時
