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「え…？」
乙宮さんは何か言ったが、全然聞こえなくて聞き取れなかった。
何て言ったんだろう…。
乙宮さんはそのまま去って行ってしまった。
何だったんだろう…。
晴翔「なんでまたいるわけ？ストーカー？」
「げ、」
最悪だ。いつもタイミングが悪すぎる。
志太「あれ？Aさんどうしたんすか？」
さん付けで呼ばれることあんまりなかったから新鮮…！
じゃなくて、えっと、何て言おう…
「あ…えっと…コロッケうどんがどんなのか気になっちゃって…」
晴翔「とか言って偵察だったりして？」
ギクッ
「んなわけないじゃん」
志太「今日は彼氏と一緒じゃないんすか？」
あ、そっか。勘違いしたままなのか。
「あ、あれは、彼氏じゃないから」
志太「マジっすか？！じゃあ今からコロッケうどん食いに行きます？」
…何か聞けるかもしれないし、行くか。
「うん、じゃあ行こっか」
志太「デートっすね」
「あはは」
晴翔「僕の存在無視して話進めないでくれる？」
志太「晴翔さんもコロッケうどん食べたいんすか？」
晴翔「なんで僕があんなもの食べなきゃなんないの」
志太「美味いのに」
ぶーぶー言いながらも晴翔は一緒に食べに行った。志太が余計なことを言わないか心配したらしい。フルネームで呼ぶのが面倒くさくなったので、勝手に呼び捨てにすることにした。
晴翔は天馬に似て、素直じゃない。
初めてコロッケうどんを食べたけど、想像していたよりも美味しかった。
あと志太の中学生時代の話を聞いたり、私の大学の話をしたりした。晴翔はずっと聞き流していた。
志太の話を聞いていて気づいたのは、志太は莇の親友だってことだ。
莇と喧嘩したままの状態のようだった。名前は出してはいなかったけど、莇から聞いていた話と色々と合致する点があった。
莇が元気がなかったのは、喧嘩した状態にあるからだったのか…。
「志太は本当にその子のことを大切に想ってるんだね」
志太「俺にそんな資格ないっすけどね」
「そうなのかなぁ、人のことを想うのに資格とかそんなの必要ないと思う。大丈夫、ちゃんと話せば前みたいに戻れるよ」
相手は莇だから、尚更そう思う。二人が笑顔で笑い合える日が早く来ますように。
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作者名：桜 | 作成日時：2020年5月24日 20時
