166 ページ21
.
その日から私と天馬は隙があれば読み合わせをするようになった。
学校では誰が見てるのかわからないから打ち合わせだけコソコソとし、読み合わせは部屋か、中庭で行うようになった。
宣伝用の広告の撮影も済み、雑誌でも天馬との対談企画が増えた。
タイマンACT組の稽古にも参加していた。今回はGOD座の劇場で行うので、当日の受付スタッフなどはしなくてもよくなった。
そうしていると、幸のラフ画があがり、幸と材料を買いに行くことになり荷物持ちに万里が来てくれた。
幸「A、最近また頑張りすぎじゃない？」
「…そうかな？」
万里「変わらずにランニングもしてんだろ？」
「それは日課だからね」
幸「無理しないでね」
こうやっていつも幸は心配してくれる。みんながいるから、私は胸を張って好きなことができる。
万里「つーか、すげぇ大抜擢だよな」
「ね」
幸「まあ、ポンコツ役者が相手役なら、何も心配してないけどね」
幸はなんやかんやで天馬のことを認めている。それを本人には伝えていないだろうけど。
こういう所もかわいい。
朝、千景に伊達眼鏡を渡されたので、伊達眼鏡をして買い物に来たけど、買い物中に何人かにやはり声をかけられてしまった。騒ぎになる前に、万里と幸が上手いこと対応してくれて、騒ぎにはならなかった。
…こういうことが日常化してしまうんだ。
私は改めて気合を入れ直した。
材料を大量に買い、その日から衣装作りが始まった。今回は太一には稽古に集中するように伝えているので、主に私と幸で衣装を作ることになっている。
公演組は立ち稽古が始まり、みんなは既にセリフを頭に入れていた。稽古をしていると、支配人がやってきて、Spotlightから綴に取材依頼が入ったことをみんなに伝えた。
左京さんが受けさせろと支配人に伝言を伝えていたことから、綴に拒否権はなく、受けることになった。
取材の日は私も出版社で次の企画の打ち合わせがあったので、一緒に行くことになった。
…良い記事にしてくれたらいいな。雛森さんがいるから大丈夫だろうけど…。
私はいつも通り、夜ご飯の支度をしに談話室へ行くと、臣と丞と千景がいた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 58人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桜 | 作成日時：2020年5月24日 20時
