158 ページ13
.
しばらく乙宮さんの背中を見つめていたら、後ろから声が聞こえた。
？「なに、偵察？」
「げ、」
？「晴翔さん、この美人さんと知り合いなんすか？」
晴翔「良いのは顔だけな」
「はい？」
？「俺、荒川志太っす」
志太…？
なんか聞き覚えのある名前だな…。
「神崎Aです。よろしくね」
志太「マジ美人っすね」
「…ありがとう」
晴翔「お前趣味悪」
「うるさい、山田弦太」
晴翔「！その名前で呼ぶなって何回言うたらわかんねん、われ」
「…ワタシ日本語ワカリマセン」
志太「あはは、おもしれぇー」
神木坂さんに見つかる前に帰らないと…。
志太「あ、Aさん、良かったらコロッケうどん食いに行きませんか？」
「コロッケうどん…？」
コロッケとうどん…？
？「A」
コロッケうどんとは何なのか想像していると、至が迎えに来てくれた。
「至」
至は私の肩を抱き、二人に挨拶をした。
至「俺の"彼女"がお世話になりました」
志太「ええ…レベルちげぇ」
私が否定をしようとすると口を塞がれ、そのまま連れて帰られた。
「なんで、ここにいるってわかったの？」
至「先輩といいAといい二人して俺に隠れて何してるわけ？」
「至って案外鋭いよね」
至「俺のセンサーなめないでくれる？」
「何の？」
至「A」
「あ、左様ですか」
至「ヒドス」
たわいもない会話をして、仲良く寮に帰り、私の部屋に着いてもまた何をしてるのか問われたので、至を部屋に招き入れ、答えることにした。
「…神木坂さんの本当の狙いは何なのか知りたくなってね」
至「前言ってたやつね…」
「初代の公演を全作品見直したら、旗揚げ公演の時に神木坂さんが出演してることがわかったの。でもある時から出てなくて…きっとその頃にGOD座を立ち上げたんだと思う」
至「それで？」
「なんでこの劇団を去ったのか、その理由が、もしかすると神木坂さんがMANKAIカンパニーに執着する理由に繋がるんじゃないかなって」
至「…」
「もし、それで神木坂さんが苦しんでるなら、助けたいって思ってる」
至「…そこにたどり着くのか」
「苦しんでなかったとしても、ただ嫌がらせするにしてはしつこいなぁって」
至「…なる」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 58人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桜 | 作成日時：2020年5月24日 20時
