独り ―ロイ視点― ページ7
その日からは何不自由ない生活を送ることが出来た。
蔑むような視線も暴力もない、衣食住全て揃えられた理想的な生活。
それでも私は周りの人間を信用出来なかった。
もちろん先代やソフィア様を始め、コンデンソーネの人は皆優しく接してくれていた。
でも私はなるべく一人でいられるように自室に籠っていた。
「死神」「疫病神」の私が近くにいたら彼等に迷惑をかけてしまう、そうなればいずれ彼等も私を罵り見捨てるだろうと思っていた。
そうなるなら、迷惑をかけてしまうなら独りのほうが良かった。
そんなある日。
いつものように自室に備えられていた本を読んでいると、扉をノックする音が。
返事を待たずに入ってきたのは姉のヴィオラ様とお付きのメイドだった。
先代の話ではヴィオラ様は体が弱く、寝込みぎみだという話だった。
その彼女はパタパタと駆け寄ってくると、
ヴィオラ「ロイ！本なんて読んでないで外で遊びましょ？」
読んでいた本を取り上げ、私の顔を覗きこむ。
その当時、荒んでいた私の目付きは悪かっただろうし、無表情だったのにも関わらず彼女は怯むことなく私の手をひく。
ロイ「オレはいい……他にも遊び相手はいるだろ」
なるべく素っ気なく返す。
そうすれば彼女も諦めると思ったから。
でも、想像とは違った。
ヴィオラ「Aとグレイは今、お父様と一緒にお勉強中なの。それにロイと遊びたいから誘ったのよ？今日は天気もいいし体調もいいから」
嘘なんて全く含まれてない言葉。
その笑顔に根負けし、されるがまま屋敷の中を連れ歩かれる。
その先にあったのは色とりどりの花が咲いた綺麗な庭園。
噴水近くの原っぱに座り込み何かを探し始める。
ヴィオラ「んー……これも違う……これも」
私は隣に座り、その姿を凝視する。
ロイ「あんたはオレが怖くないのか？」
素朴な疑問をぶつける。
おそらく私の素性は先代から聞いているはず。
それなら、なぜ。
死神と、疫病神と呼ばれ蔑まれていたオレをなぜ構うのか。
ヴィオラ「怖くなんてないわ、全く。だってロイは悪い子なんかじゃないもの」
作業していた手をピタッと止めて彼女は私を見る。
ヴィオラ「お父様から全部聞いたの。ロイが今までどんな風に生きてきたのか。でもロイが悪い所なんて無いって思ったの」
ロイ「……」
ヴィオラ「だから怖いなんて思わないわ。同情でもなく本心で」
ニコッと微笑む。
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アリス(プロフ) - 白金木さん» コメントありがとうございます。少しずつではありますが更新していくのでこれからも作者ともどもよろしくお願いいたします。 (2017年12月28日 19時) (
レス) id: f9384ae4c3 (このIDを非表示/違反報告)
白金木 - 続きを書いてくれてありがとうございます。ボンゴレvs コンデンソーネ、楽しみにしています (2017年12月28日 16時) (レス) id: 546503b9aa (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 見てくださってありがとうございます。モチベにも繋がるので良かったらコメントお願いいたします。 (2017年12月24日 19時) (レス) id: f9384ae4c3 (このIDを非表示/違反報告)
白金木 - この作品大好きです。完結寂しいです。よかったら続きを...... (2017年12月18日 17時) (レス) id: 546503b9aa (このIDを非表示/違反報告)
Lica - こんなに素敵な作品が作れるとか尊敬します！これからも頑張ってください！！ (2017年5月14日 12時) (レス) id: 4b1373d030 (このIDを非表示/違反報告)
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