魔法よりもっと濃紅 ページ19
あ＿＿＿
まぁ、流石に、無いか、
確かにね、と苦笑いを零す。
前日、部屋で服を並べて考えていた時、
奥にしまっていたワンピースが視界に入った瞬間私は直ぐにそれを手に取った。
＿＿凛の色だ。
ここ最近で1番目に焼き付いていた色。
私が大好きな色。
俗に言う運命を感じるとはまさにこの事だと、私は思った。
しかし、よく考えてみれば当たり前だ。
友達から自分の目の色のワンピースを選んだなんて言われてもピンと来ないのも当然。というか少し怖くらいだ。
結月の言葉を借りるならば激重感情というやつ。
俯瞰できていなかった自分自身に、恋の魔法とは恐ろしいものだと実感する。
今までは頭の中でひとつ置いて発していた言葉も、凛の前ではまるで考える隙もなく漏れ出す。
耐えきれずにごめん、と自嘲混じりに笑うと、凛は少し間を置いた後にあぁ……と返事なのかよく分からないことを言った。
「あと」
若干悲観的になっていた私に付け足す様に言葉を続けた凛に目を向けると、ムスッと拗ねたような顔をしていた。
「あいつと連絡先交換してたのも、ムカつく。」
……やっぱり。
そうだと思った、と私はスマホを取り出して操作する。
「＿＿＿はい、これで同じ7人。」
結月に勧められて追加するだけ追加した人気俳優の公式LINEを削除して、凛に画面を見せる。
凛は何故かぽかんとした後、少し笑った。
「馬鹿だな。」
わざわざ削除したのにその言い草は如何なものか。
頭ではそう思ってみても、心は、凛の笑った顔に酷く熱くなって
魔法という言葉をも超えてしまうのでは無いかと思うくらい、私はどうしようもない感情に支配されていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 421人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
名無し(プロフ) - 真昼さん» コメントありがとうございます。意外と凛視点が需要あるようで良かったです。これからも応援して頂けると幸いです^^* (2023年1月30日 16時) (
レス) id: c37b14cb77 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - するめさん» するめさん、続編の方にもコメント頂けて嬉しいです。いつも応援本当にありがとうございます。凛視点はいずれ書きたいと思っていましたが想像よりも長くなってしまいそうです（笑） (2023年1月30日 16時) (レス) id: c37b14cb77 (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 初コメ失礼します！凛視点めちゃくちゃ好きです！！最後まで応援します！ (2023年1月30日 9時) (レス) @page2 id: 3174c03de1 (このIDを非表示/違反報告)
するめ(プロフ) - 続編おめでとうございます〜!!凛視点めちゃくちゃ最高です、、、このお話ほんとに大好きです! (2023年1月30日 5時) (レス) id: 85ee5a5c1b (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - お酢雨さん» ご指摘ありがとうございます。修正いたしました( _ _ ) (2023年1月29日 22時) (レス) id: c37b14cb77 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：名無し | 作成日時：2023年1月29日 20時
