紛らわしい真赭 ページ20
凛が笑ったのを見ると、もう嘘と言おうとしていた事なんてどうでも良くなってしまった。
この後まだ時間あるかと問う凛に首を縦に振ると、ほんの一瞬目を伏せてどこか儚げな表情を浮かべた。
まるで今にも凛の体が透けて、触れることもできなくなって、そのまま消えてしまうような気がして
私は無意識の内に凛の手を掴んでいた。
触れてみると意外と大きいなとか、骨ばっているなとか、
そこに私の意識が存在していないかの様に凛の手に触れていた。
＿＿バッと手を引かれ私はやっと理性を取り戻す。
「やらしー触り方すんじゃねーよ」
やめろ。と凛に目で言われ、一瞬やってしまったと自責の念に囚われたがすぐに赤い耳を見て気付く。
照れ隠しか…
本当に凛は紛らわしい。偶に本気で嫌われたのでは無いかと焦る時がある。
まぁ私にもそれなりのやらかしがあるから仕方の無いことではあるのだが。
例えばそう、今回も私が凛の手を急に＿＿＿
「あ、ごめんっ」
照れ隠しか、なんて胸を撫で下ろしている場合では無かった。
思わず、とか無意識に、とか色々と言い訳を並べる私に凛が手を差し出す。
「ん」
「……ん？」
私がその手を見つめたまま固まっていると凛は少し機嫌の悪い顔になった。
「ちげぇのかよ……紛らわしいなお前…」
1番言われたくない相手にそんなことを言われ、私は頭の上にはてなマークを浮かべる。
行くぞ、と差し出していた手をポケットにしまい込んで歩き出すものだから私も深く考えずに歩く。
「どこへ行くの？」
「……海」
海…。水族館だとか海だとか、もしかして凛はそういう類の物が好きなのだろうか。
将来サッカー選手と水産関係の仕事を両立している凛を思い浮かべる
魚の被り物を被ってギョギョギョ！と言うネタを持つ芸能人が居たような、
それを凛で想像すると余りにも可笑しくて吹き出してしまう。
なんだよと私を見下ろす凛にさえ愛おしさを感じてしまうのもまた、魔法のせいか。
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名無し(プロフ) - 真昼さん» コメントありがとうございます。意外と凛視点が需要あるようで良かったです。これからも応援して頂けると幸いです^^* (2023年1月30日 16時) (
レス) id: c37b14cb77 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - するめさん» するめさん、続編の方にもコメント頂けて嬉しいです。いつも応援本当にありがとうございます。凛視点はいずれ書きたいと思っていましたが想像よりも長くなってしまいそうです（笑） (2023年1月30日 16時) (レス) id: c37b14cb77 (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 初コメ失礼します！凛視点めちゃくちゃ好きです！！最後まで応援します！ (2023年1月30日 9時) (レス) @page2 id: 3174c03de1 (このIDを非表示/違反報告)
するめ(プロフ) - 続編おめでとうございます〜!!凛視点めちゃくちゃ最高です、、、このお話ほんとに大好きです! (2023年1月30日 5時) (レス) id: 85ee5a5c1b (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - お酢雨さん» ご指摘ありがとうございます。修正いたしました( _ _ ) (2023年1月29日 22時) (レス) id: c37b14cb77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し | 作成日時：2023年1月29日 20時
