俺を映す瞳＿虹 ページ5
結局Aが調べて連絡先を交換した。
友達の画面を開くとスクロールしなくても見られる全員の名前に高瀬Aの文字が追加されていた。
俺は嬉しかったけどそれをどう顔に出せばいいのか分からなかった。
チャイムが響いて、Aは次教室移動だからと礼を言って足早に去っていった。
「5回…。」
俺の声は曇りひとつない真っ青な晴天に溶けた。
それから家に帰ってAにメッセージを送ろうとした＿＿
いや、流石に浮かれすぎと思われるか？
何か用件があった方がいいのか。
悩んだ俺はスマホで調べて、最近建ったという水族館にAを誘うことにした。
はい、と一言だけ帰ってきたメッセージに俺はどうしようも無く浮かれて、全身の血が巡るのを感じた。
それからはAと会う度に世間話をするようになった。
2日くらい経った頃、放課後1人で歩いているとAとよく一緒にいる女子と会った。
目が合ったので軽く会釈をして通り過ぎようとすると糸師凛くん、と呼び止められた。
「急にすみません。私、Aの友達の平川結月です。呼び捨てでもなんでも好きに呼んで。」
気の強そうな女子だと思っていたけど、近くで見るとその大きな目がより一層そう思わせた。
「どーも。」
適当な返事をすると彼女は1つ息をついて俺に聞いた。
「Aのこと、好きなんですか？」
「…は？」
想像していなかった質問に思わずポカンとする。
「そりゃ、好きだ。友達だからな。」
彼女は、俺の返答に満足いってないと言うように口を開いた。
「ちがう！だからその、恋愛的によ。」
恋愛的に…、考えた事もなかったけど、あの笑顔を見れるのは俺だけだと、なんとなく特別に思った。
「いや…それは意識したことないから分かんねぇけど、大切にしたいとは思ってる。」
守りたい。自分の心に浮かんだ言葉を俺が正直にそう伝えると、今度は満足そうにふんと鼻を鳴らした。
「言質取ったからね！Aのこと泣かせたりしたら私が飛び膝蹴りかましてやるんだから」
飛び膝蹴りと言いながら拳を前に突き出して殴る振りをする彼女に俺は変なやつだなと思った。流石、Aの友達だ。
「あと、Aの友達1号は私だから！」
そう言って機嫌良さげにステップを踏みながら通り過ぎて行った彼女を見て俺はふぅと息を吐く。
「良い友達持ってんな。」
＿＿糸師凛side 終
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名無し(プロフ) - 真昼さん» コメントありがとうございます。意外と凛視点が需要あるようで良かったです。これからも応援して頂けると幸いです^^* (2023年1月30日 16時) (
レス) id: c37b14cb77 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - するめさん» するめさん、続編の方にもコメント頂けて嬉しいです。いつも応援本当にありがとうございます。凛視点はいずれ書きたいと思っていましたが想像よりも長くなってしまいそうです（笑） (2023年1月30日 16時) (レス) id: c37b14cb77 (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 初コメ失礼します！凛視点めちゃくちゃ好きです！！最後まで応援します！ (2023年1月30日 9時) (レス) @page2 id: 3174c03de1 (このIDを非表示/違反報告)
するめ(プロフ) - 続編おめでとうございます〜!!凛視点めちゃくちゃ最高です、、、このお話ほんとに大好きです! (2023年1月30日 5時) (レス) id: 85ee5a5c1b (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - お酢雨さん» ご指摘ありがとうございます。修正いたしました( _ _ ) (2023年1月29日 22時) (レス) id: c37b14cb77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し | 作成日時：2023年1月29日 20時
