手足の糸をほどいてしまって【仁兎なずな】

1：屋上の噂話 ページ3

NOside

｢最近1年生のなかで話題になっている
“屋上のお人形”。

あ、お人形と言ってもちゃんとした人間らしいですよ？

初めて見つけたのは２winkの二人で、練習中だったそうで、
途中から屋上で楽譜を読んでたらある女の子の声がしたそうです。


探してみたら、ロリータ服を着た少女が１人、
美しい声で歌っていたそうなんです。

英語？ではない外国語での歌だったから歌詞はよくわからなかったけど＿＿＿＿＿＿｣



｢その空間だけ、異世界みたいに神秘的だったそうですよ。｣


｢俺も聞いたんだぜー！｣

｢１年の間では割と有名だよな。｣



Ra＊bitsの１年生三人＋あんずの四人が
放課後のレッスン室で話すのは今話題の“屋上のお人形”

２年生であるあんずは革命で忙しかったのもあるのか全く知らなかった様子。



｢…で、そのお人形さんみたいな子は誰なんだろ…｣


｢不法侵入…？な訳ないか。
変態仮面なら何か知ってるかもな…｣


｢俺も先輩たちに聞いてみるぜ〜‼｣


｢じゃ、じゃあ僕は英智お兄ちゃんに聞いてみます…！｣


｢(朔間先輩に聞いてみるか…)｣



探偵の真似事に少し心をとられていた四人は扉越しの人影に気付くことはできなかった。









｢…A、まだそっちにいるのか…？｣

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