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ご飯を食べ終えて私が奢ることに納得し切れていなかったのか、お会計の間際になってコナンくんが私の袖を引っ張って粘ってくる。お会計はやっぱり安室さんで、だからか私を説得するのを諦めると安室さんに交渉していた。いや、でも安室さんは関係ないんじゃないかと思うよ、私は。いくら知り合いだからって彼今は対価を受け取るためにそこに立ってるだけだよ。
必死で安室さんを説得している様子は見て取れるけれど、安室さんはそんなコナンくんを見て可笑しげに笑うばかりでどちらかと言えば私の味方をしてくれているようだった。コナンくんはそれを察知しているのか悔しげで、だけれど味方がいないと分かるとため息をついて肩を落とした。何にもしてないけれど私の勝利である。
お財布からお金を出してレジに表示された支払金額に合致するお金を取り出し、それをコイントレーに乗せる。安室さんはそれを受け取ると滑らかにレジ操作をしてお金を仕舞うと、おもむろにエプロンのポケットから何かを取り出してそれをそのまま私に差し出した。
よく見ればそれは可愛らしくラッピングされたクッキーで、シールで小さな厚紙が取り付けられ“おまけです”と安室さんの厚意を私に示してくれていた。なんだこれまたしても女子力アピールをされてしまった。目を丸くして彼を見やれば、彼は幼げに笑って私が受け取るように促してくる。
ああきっとこのクッキーも美味しいんだろうなあと思うと食欲には勝てなくて、素直にクッキーを受け取ってしまった私はこの喜びを示すように深々と頭を下げた。頭を下げた私の視界に見えるのは逆さまになったコナンくんとタイラーだ。厳密に言えば逆さなのは私の頭なんだけども。
きょとんとしたコナンくんと目が合い、それからコナンくんの視線が上に上がる。ふとそのまま困ったように苦笑した彼は、改めて私と視線を交わすとぽすぽす、と私の肩を叩いて安室さんの方を指差した。促されて顔を上げれば困ったような顔をしていた安室さんが見えたのであった。
ああ、なんだか眉尻下げてる安室さん可愛いなあ。なんて、失礼なこととても当人には伝えられないけれど。やっぱりジェスチャーじゃ伝えるのに限度があるか、と私はレジ横に置かれたメモ帳とペンを借りてかりかりと書き込み、それを安室さんに見せた。
“ありがとうございます。絶対美味しいクッキー、美味しくいただきますね”
文面を見た安室さんは、可笑しさを耐えるような顔でくすりと笑って、頷いた。
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ぺんぎん。 - すきです。こうゆう小説すごく和みます (2022年2月27日 8時) (
レス) @page15 id: d21f01a898 (このIDを非表示/違反報告)
ケイ・ニコラス(プロフ) - とても好きです！続きが気になります！ (2021年7月4日 21時) (レス) id: c3f15b312b (このIDを非表示/違反報告)
杏 - なんだかすごく優しい小説でした。こうゆう小説がもっとあればいいのに。すごく好きです。 (2018年4月1日 22時) (レス) id: 636a061378 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ餅(プロフ) - 明日も頑張ろう、と元気や癒しを頂きました。ありがとうございます。すごくすごく好きです。 (2018年3月5日 20時) (レス) id: c5e0d1202b (このIDを非表示/違反報告)
ゆめさみ - とっても癒されます＾＾ (2018年2月19日 0時) (レス) id: ec209772b6 (このIDを非表示/違反報告)
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