しょうげきのじじつ ページ11
「睡眠はとるのか?」
「まあ、ぼちぼち。とらなくても動けるので、とったりとらなかったり、ですかね」
「そうか。……自分の部屋、欲しいか?」
「いえ、別に。趣味らしい趣味もないですから、ここで寝させてもらえれば」
「ベッドで寝ろ」
「あっはい」
なんか凄い質問ラッシュだ。まあ一緒に生活するなら知っておく必要がある情報ばかりだから、別に構わないけれど。そしてソファで寝る案はあっさり却下された!
「……君が気にしないのであれば、俺と共寝をして欲しいんだが」
「えっ」
「諸事情あって俺の身は安全ではなくてな。君に守ってもらえるなら安心だ」
「……………いや、まあ、秀一さんが良いんなら、わたしは構わないんですけど。」
秀一さん的に有りなんだ、それ。男のプライドとか、そういうもの。背に腹は代えられないとか、そういうことだろうか。
「……秀一さんはわたしと一緒で、ちゃんと眠れるんです?」
「元々不眠症気味だからな。大差ない」
「わたしのことより自分のこと気に掛けてくださいよ」
不眠症気味って何してるんですかスナイパー。寝させないと。
「わかりました。わたしと寝てちゃんと眠れる確証はないですけど、寝ましょう。」
「そうか。助かる」
「秀一さんのお部屋はどこですか?」
「変装をするに使っている部屋の隣だ。」
あ、やっぱり秀一さんが入ってったあの部屋ってそういう部屋なんだ。…いやそうじゃなくて。
ソファから立ち上がって秀一さんの手を引く。不思議そうな顔をした彼は、それでも何も言わずに立ち上がって手を引いて歩き出すわたしについてきてくれた。許可も取らずに秀一さんの部屋のドアノブに手を掛け、ドアを開けて中に踏み入る。
…秀一さん意外と何も言わない。もっとなんか怒られると思ってた。
「………あー……お風呂入らないとだめだ。忘れてた」
「風呂場なら広間から右手の廊下だが」
「ちょっと行ってきます」
「着替えはどうする?」
「何か捨てられるTシャツとかありますか?とりあえずそれを寝間着にします」
「下着は」
「とりあえず付けてたのを付けときます。Tシャツ挟んどけば多分害ないので」
「別に汚れても構わないが…」
「わたしが構うんですってば。」
意外と頓着ない人ですか秀一さん。いやでも、確かに得体の知れないわたしを車に乗せるのも気にしてなかったか…。潔癖の気色なし?
そのわりに綺麗好きそうだからよくわからないんだよなあ。
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