ただずっといちゃいちゃしてるだけ【黒子のバスケ】

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完全なる地雷だ。


黄瀬涼太。生意気だし我儘だしうざいし面倒くさいけれど、早川や笠松よりも空気の読めるオトコノコだと思っていたのに。


彼の言葉で顔を覆い隠し、その場に膝から崩れ落ちる。がしゃんという音と共に膝をロッカーに強打したが、それよりも胸の痛みが強かった。あぁ、痛い。ひどい。苦しい。つらいと両手で視界のふさがれ真っ暗な世界に投げかける。


答えてくれるヤツはかわいい女の子ではなく、やっぱり生意気な「女の子に振られたことありませ〜ん」の黄瀬だった。



「あ、別れたんスか？」


「違う！その『あぁ、やっぱり』みたいな声やめろ！」


「え、じゃぁ喧嘩中とか？」


「仲はすごくいいはずだ」



そういうが黄瀬は半信半疑で「森山センパイは結婚詐欺師に騙されそうなタイプだもんなぁ」とポツリとつぶやいている。バレてるぞ一年。



そう、この一年坊主が言うように俺はとある女性とお付き合いをしている。


森山センパイって女の子と付き合えたんスねとか、森山先輩は一生ドクシンだと思ってました！と言う後輩共は置いておくとして、俺は超絶カワイイ女の子とお付き合いをしている。大事なことなので二回言った。


超絶可愛い女の子というのは、決して俺から見て可愛いという意味だけではない。もちろんそれもあるが、彼女は世間一般、全国共通で可愛い女の子なのだ。
彼女の声も少しハスキーではあるが魅惑的で、何よりスタイルがいい。表情の作り方もうまい。


当然である。俺の彼女は鞘師A。多くのCMやドラマで活躍している今大人気の若手女優なのだから。


携帯のCMや化粧品のリップのCM、それにチョコレートのCMを受け持ち、ドラマでは主役級をバンバン受け持っている。鞘師Aという名前を出せば「あぁ〜」と声を上げるものは大勢いるだろう。ファンの方ももちろん多い。


そんな大スターの彼女とどうして出会って恋に落ち、さらにはお付き合いをしているのかというと、話せば長くなるのでこの話はまた今度になりそうだ。


運命の糸でつながったいたのかもしれない。そう思いたいのは山々だが、別にパンを口に咥えた彼女と曲がり角でぶつかったわけではないので単なる偶然と言った方が説明がつくだろう。


付き合い当初は「それは詐欺だ」とか「金とられているだけ」とか散々な言われようだったが、もう付き合って半年。随分落ち着いたしラブラブになっていた。

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