狼系彼氏【黄瀬涼太】 ページ1
私の恋人を「まるで犬みたいだ」という人はどれだけいただろう。
最初こそつっけんどんだった彼は、相手を認めて懐に入ってしまえば甘すぎるほどに甘かった。
高校も一緒だったのもあってか、彼は私をベタベタに甘やかした。それはもう周りがドン引きするほどに。
高校の時はバスケに一生懸命でそんなに触れ合う時間もなかったが、大学生になった今は別だ。
モデルの彼も今は前よりは落ち着いた。そりゃ仕事はあるし学校もあるが、高校時代に比べると、だ。いちゃつける時間も増えただろう。
だからこそ、私は色々なことを目の当たりにするようになった。
彼は実は淡白そうに見えて執念深いし、甘えたがりだしくっつきたがりであること。
好みのタイプは「ソクバクしない人」なんて言っているくせにその実自分はかなりのソクバクするタイプで、ちょっとでも男の人に会って笑顔でも向ければ機嫌が悪くなることも。
「離したくない」「閉じ込めたい」そんな台詞を何度聞いたことか。
全部本気に聞いてはいなかったが、あの目はガチだ。実は彼の部屋で何に使うかわかりもしない____わかりたくもないというのが正しいともいう____ピンク色の謎な液体やらが置いてあったことも目にしたことがある。
そしてなんといっても体力お化けで、ねちっこいし。
私が推しに弱いことを利用して甘えたあざとい声でおねだりして、最終的には狼のごとくがぶりとがぶりと噛みつくことはしょっちゅうだ。
ゆっくりと相手を見る時間が増えると、見えてくる。
彼が本当は犬なんかではなくて、そんなかわいらしいものではなくて、純粋で忠実な瞳なんかこれっぽっちも持ち合わせていなくて。
本当はあれも狙いなんだってこと。
相手を漬け込むための策だ。皆騙されてる。
まぁ、わかっていながらそれに何度も何度も引っかかる私もどうかと思うけど。
「ねぇ、Aっち。一緒にお風呂はいろ?」
甘えた声の彼____涼太君は、食器を洗っている私の元へひょこひょこと歩いてきては、背中に張り付いた。
温かい体温が、背中越しに伝わってくる。甘い声にはちみつ色のとろりとした瞳がこちらの様子をうかがう。ねえ、Aっち。おねがい。とこちらをどろどろに溶かそうとする。
____が、もうこの甘えん坊のふりをした狼の罠に引っかかってやるものか。と私は決心していた。
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鎖月零(プロフ) - Flower*さん» flower!ありがとうございます!!短編の夢主は同じ夢主で書くのが普通だということを今の今まで知らなくて……全員バラバラにしてしまいました(笑)私も短編の方が書きやすくて軽くかけるので楽しかったです!続編頑張ります! (2018年2月26日 18時) (レス) id: e5c976073b (このIDを非表示/違反報告)
Flower*(プロフ) - 1完結(?)おめでとうございます!甘々で読んでてドキドキしてしまいました(*ノωノ) それぞれのお話の夢主ちゃんたちも個性豊かで面白し、何より短編なので読みやすいです。やっぱり零すごい……。続編の方も首を長くして待ってます! (2018年2月24日 0時) (レス) id: 4d95f4e8a2 (このIDを非表示/違反報告)
黛パフェ(プロフ) - 鎖月零さん» めっちゃ楽しみにしてます!!! (2018年2月18日 18時) (レス) id: d3f83fb575 (このIDを非表示/違反報告)
鎖月零(プロフ) - 黛パフェさん» うそぉ……本当に恥ずかしいです(笑)規制かかる系の甘々はあまり得意分野ではないのですが、楽しんでいただけると幸いです……!甘くなるように頑張ります (2018年2月18日 18時) (レス) id: a33d034fdf (このIDを非表示/違反報告)
黛パフェ(プロフ) - 鎖月零さん» 今でもたまに見たりしますよ!黄瀬くんの好きですー!規制とかあまり気にしないタイプなので別のアカウントで見に行きますねー! (2018年2月18日 1時) (レス) id: d3f83fb575 (このIDを非表示/違反報告)
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