四十話 ページ20
目が覚めた。視界に広がる場所は地獄も言っても過言でない。
『……っ!』
私が知ってる部屋ではなかった。
目の前は鉄格子。その角にはしゃがめば出れるぐらいの扉に南京錠が掛かっており出れそうにない。
辺りを見ても特に目ぼしいものはなかった。あったとすれば、壁にポツンと開いた正方形の窓だけ。そこにも鉄格子があり出れない。
牢屋に入れられた。
『……う……そ……』
ダクトもなかった。当たり前か。牢屋だもの。
辺りの壁は、頑丈な石で出来た壁。私じゃ到底壊せそうにない。しかも何階かさえもわからない。
逃げられなくなった。……どうすれば……
すると出入り口であろう所の扉が開いた。
誰かと思って顔を見れば、見知った顔だった。しかも狂気に満ちていた。
そいつはコツコツと音を鳴らしながら、階段を降り、此方にやって来る。
rz「あぁ〜。やっと起きましたねぇ〜。全く起きる気配がしませんでしたので、一事はどうしようかと思いましたよぉ〜。」
そいつの目に、「心配」と言う言葉などなかった。
あるのは狂気。ただそれだけ。
『……それは、「材料が使い物になる状態」で良かった。の間違いではなくて?』
rz「……やだなぁ〜。何をおっしゃるのかと思えば。貴女は僕の妻になると言うのに。」
『……へぇ〜。……「妻」ですか。なら何故この様なところにいれるのでしょうねぇ。
それに……それはいったい……何人目の事なんでしょうね。』
彼からの笑顔がなくなった。あったのは、狂気、それから怒りが混じったような瞳だった。
(……怖い……)
rz「ふ〜ん。貴女のような方は初めてですね。笑えばコロッと堕ちてしまうのに。……他に好きな人がいらっしゃって?」
『……それを聞いてなんになるのです?』
rz「そいつを消してしまえばどれだけ素敵な絶望の顔が見えるのかと思って。……で?誰なんです?」
『……教える意味などないですね。』
rz「随分と余裕なんですね。……まぁ。その余裕は何時まで持てるのでしょうねぇ〜。」
『……?…………!それは!』
rz「ンフフ。気づくのが遅すぎですよぉ〜?お姫様♪」
『この……!』
rz「良いですねぇ〜。その目。ゾクゾクしますなぁ〜。」
『……。』
rz「では、私はこの辺で。やることが山程有るので。
何時まで保てるのか。見物ですねぇ。」
と言って、瓶を置き、扉を閉める。
扉の向こうからゲスな笑い声が響く。
『…………。ぶるーく様の方が断然可愛いです……。』
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梨乃(プロフ) - コメント有難うございます!確かにそうですねw自分で読み返してもそう思いましたw←うん。直せや。 (2019年9月7日 9時) (レス) id: 9bf702873d (このIDを非表示/違反報告)
ひーちゃん - たまーにシャークんが関西弁になるからゾムさんと間違えるwww (2019年9月6日 20時) (レス) id: f2b8765d0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梨乃 | 作成日時:2019年8月31日 12時