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「伏せろ！！」
「え？」
「敵！！エンデヴァーさんは何を…」
大きな翼を持った脳無は血を流しながら、鳥のような足で出久を掴んだ。近くにいたAは思わず、手を握りそのまま共に空高く飛んでいこうと敵は翼を羽ばたかせた。
「わぁぁぁ！あ、Aちゃ…」
「出久！！」
「A！！緑谷！」
ヒーロー殺しの個性で動作が、ゆっくりになっていたAだが、感覚が戻りはじめていた。Aはそのまま出久の手を離さず大きく振り子のように揺らして片方の翼を掴んだ。そっちに移ったAは火傷を負わすように個性を使った。その瞬間、出久は取り押さえられるように地面におり、Aは尻餅をついて地面に座っていた。頭のなくなった敵とゆらゆらと立つヒーロー殺しが、いた。
「偽物が蔓延るこの社会も、徒に力を振りまく犯罪者も粛清対象だ。全ては正しき社会の為に…」
「で、出久を離して！」
「何故、一塊で突っ立っている！？そっちに一人逃げたハズだが！！？」
Aはヒーロー殺しの足元にいる出久を見て、手をヒーロー殺しの方へ翳しながら叫んだ。脇道のほうからエンデヴァーが焦凍たちを見て叫んでいた。
「エンデヴァーさん！あちらはもう？！」
「少々手荒になってしまったが、して、あの男は…」
「エンデヴァー…贋者、正さねば。誰かが血に染まらなければ…」
出久を離しAを、見たあと、ヒーローが叫んだエンデヴァーの名に反応したヒーロー殺しはゆらゆらと脳無を切りつけたナイフを持ち直し、焦凍たちの、エンデヴァーのいる方へと歩き出した。
「英雄を取り戻さねば。来い、来てみろ。贋者ども」
「だめ！」
「俺を殺していいのはオールマイトとロルージュだけだ」
鬼気迫るヒーロー殺しにAは思わずヒーロー殺しと焦凍たち、そして、自分達の前に焔を燃えさせて境界を作るように個性を使った。これ以上、歩けないように近づけないように。しかし、ヒーロー殺しは立ち止まったまま動かなかった。
「気を、失ってる…」
「っはぁ、はぁ。」
「Aちゃん？！大丈夫？」
ぐらつく視界と、遠い遠い赤い記憶にAは意識を失った。
気がつくとそこは病院で見覚えのある顔がこっちを見ていた。
「おと、さん？」
「よかった、目が覚めた。」
「目が、覚めた？どういうこと？」
Aは３日間眠っており、その間にヒーロー殺しの件は口外無用とし称賛と批判の声を打ち消すことになっていた。
続→
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作者名：唯星 | 作成日時：2017年12月20日 21時
