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目が覚めたAは軽く話を聞いた後、検診を受け事件直後にあった打撲はすでにほぼ完治の状態であることがわかった。明日には退院でき、職場体験にも復帰できると診断を受けた。そして、表向きにはAは職場体験の疲労で倒れたことになっていた。
「何て。はずかしい…」
「クラスではそういうことになっているみたいなんだ」
「打撲も治ってよかった」
彼らは、入院していたが、一足先に退院しており、学校の制服でお見舞いに来ていた。
「君はそんな事気にしないと言われたが言わせてくれ。狐葉さん助けてくれて、ありがとう」
「は？…あ、な、何言ってるの？」
「え？」
虚を衝かれたAは、頭がぐるぐると混乱していた。飯田はそんな、Aを気にもせずに謝った後頭を下げたままだった。そんなAがやっと出した言葉は少しぶっきらぼうな言葉だった。後ろで焦凍と出久は笑いを堪えているのが見えた。
「お礼をいわれるような大層なことはしてないよ。」
「しかし…」
「でも、ありがとう。」
笑ったAにぽかんとした飯田のなんともおかしな光景に遂に耐えられなくなった焦凍と出久が吹き出し笑った。
「な、ななな、二人とも！何がおかしい？」
「わたしも、笑いそうだった」
「狐葉さん？！」
飯田一人だけ慌てている光景に看護師さんも訝しげにこちらを、見やったがそのまま立ち去っていった。
「ほら、Aちゃんは、何も気にしてないだろ？」
「気にしてないよ。」
「そう、なのか」
未だに複雑そうな飯田だが、そのまま、納得するように頷き笑って見せた。
「狐葉さん。お父さんがいらしてるわ」
「はい。」
「A！退院できるぞ！おや、君たちは…」
Aの父、護は嬉しそうに書類を握りしめ駆け足で入ってきた。
護にそれぞれ視線を投げられた彼らは軽く自己紹介をしていた。
「緑谷は、Aと仲良いのに、親は知らないのか」
「Aちゃんたちのお父さんはお忙しい方だから 」
「君たちも送っていこう」
その日は退院し別れ残りの２日間職場体験へと向かった。まずAはエンデヴァーに迷惑をかけたことを謝りに行っていた。
「謝ることではない。よく頑張ったな」
「…え」
「怖かっただろう。これも、君の良い経験となり蓄積されるだろう」
そしてと切られた言葉の先を聞いて目が点になるほどAは驚いた。
「これかも。焦凍をよろしく」
４・職場体験
(こちらこそ？)
(似ているな。君は)
(？？)
続く (更新停止中)
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作者名：唯星 | 作成日時：2017年12月20日 21時
