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「出久に、梅雨ちゃんに手を出すな」
「？？」
「Aちゃん」
出久と梅雨は周囲に廻らせている焔に驚き慌てて身を引いた。対オールマイト用だという敵は身体が溶けていくほどの白い焔に動きが止まっていた。その間にAは出久と梅雨を引き風で押した。
「へぇ、やっぱり、ちがうんだ」
「あなたは」
「A、走れ！」
Aが二人を遠くに押した後、視線を敵に戻そうと顔を上げたが近づく靴の音と声に動きが止まった。
「思い出した？」
「何を…？」
「君が誘拐された日の記憶はあるかい？」
そう問われたAは自分を呼び、離れろと叫ぶ拒架の声を無視し、男の方へ振り向いた。
「ど、どういうこと？」
「そのままの意味なんだ。助けてくれたのは誰？」
「誘拐されて、ヒーローが…？」
どこをどう辿ってもAは自分が誘拐されて。思い出したのは白と赤の男の子に出会ったことだった。それ以外は不明瞭に記憶に溶けていた。
「白と赤？え？…わから、ない」
「どこまでが君の記憶なのかな」
「どこまで？記憶がかえられてるの？」
ガラスの割れる音と共に強い風が吹き込む。近くでオールマイトと敵が対峙していた。
「あー、時間切れ…かな？」
「誰がやったの？教えて！」
「さぁ？」
男は不適に笑うと黒いモヤの中に入って消えていった。Aは顔を歪め消えた場所を睨んだ。それと同時に入り口の方から学校に教師として在住するヒーロー達が駆けつけていた。そこからは敵の撤退も先生達の対応も早かった。
「八木さん、大丈夫？」
「みんなが助けてくれたからね。特に二人には感謝してる」
「Aちゃんも。知ってたんだ…」
オールマイトのトゥルーフォームが解けて八木俊典になった彼は少し楽しそうに笑った。それを見ていた出久は親しげな八木、いや、オールマイトとAをみて、謎が解けたように頷いていた。
「狐葉さん」
「はい。」
「一緒に来て下さい」
オールマイトと出久はそのまま保健室へ運ばれていき、Aは険しい顔をした校長先生と共に校長室へ向かった。
「なんで呼ばれたか分かるかな？」
「個性のこと？」
「それもあるよ。個性からいこうか」
校長先生はAに紅茶をいれると話を始めた。個性で色々な事ができるようになる、それは素晴らしいことであるが同時にAのような万能な力は狙われやすく力が開花し始めているAの個性は危ないという。
「注意しなさい。」
続→
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作者名：唯星 | 作成日時：2017年12月20日 21時
