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「…拒架？」
「大丈夫か？」
「…うん。ここは？」
USJ内の火災ゾーンだった。そこで尾白と拒架が己の個性を使用し30人ほどの敵と対峙し協力しながら倒していた。
目が覚めたAには、いつもは隠してある９つの尾と耳が警戒するようにピンと立っていた。
「A、手伝ってくれ」
「でも、狐葉さん無理は…」
「大丈夫だよ、尾白くん」
尾白はAを守るように前に立ったが、Aはその前に立ち正面にいる敵を見つめた。
「コイツ、なに考えてんだ？」
「俺らにやられる気しかねえんだな！」
「バカにしないで！」
襲いかかってくる敵に向かってAは走り出した。目が覚めたばかりだが、体調はすこぶる良くなにかの枷が外れたように動いた。
「なん。だ、コイツ！」
「はやいぞ！それに。火が」
「あー。尾白、離れよう」
尾白に？マークを浮かべ拒架の方を向いた。拒架は、そんな尾白の腕を掴みずんずんと後ろに下がった。そんなことをしている間にも、Aは焔を纏いながら戦っていた。敵はどんどん気を失っていき、ばたばたと倒れていった。
「あいつ、寝起きは焔纏ってて酸素濃度下がってるんだ」
「だから、離れたのか」
「そう、危ないんだ、アイツ。特に…」
「特に？」
拒架の言葉に引っ掛かりを覚えたが、拒架がそのまま口を閉じた為、尾白はなにも聞けなかった。
一通り敵が気絶すると、その辺りにある紐で拘束し一纏めにした。
「A、おはよう」
「ありがとう、拒架。尾白くん」
「ほんとに大丈夫なのか？」
しっかりと頷いたAをみると拒架は安心してため息をついた。
「…？？」
「何か、あったのか？」
「小さいときにも私、誰かを守った気がする」
拒架はAの言葉を聞くと悲しそうにうつむいた。三人はセンサーが働かないことから中央以外の出口は封鎖されていると結論をだし、中央を目指し走った。
「ほんとに大丈夫なの？狐葉さん」
「尾白くん、もう大丈夫！」
「ただ、緑谷達が心配だな」
そんな、話をしていた三人は噴水の前に黒い影が見え慌てて速度を上げて走った。
だんだん近づき、物陰から周囲を見た時、襲われているのが出久と梅雨であるのが見えた。
「あれは…出久？」
「狐葉さん！？だめだよ！」
Aは走り出した。拒架と尾白が止めようと手を伸ばしたのが見えたが振り切ったAは出久を襲う敵に向かって個性を使った。
「出久に、梅雨ちゃんに手を出すな」
続→
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作者名：唯星 | 作成日時：2017年12月20日 21時
