ライモンシティ 7 ページ42
橙色の日差しがかったライモンシティで、結局色んなことがあって乗りそびれてしまった観覧車を見上げていた。
カノコタウンに住んでいたあの頃、色とりどりの観覧車の頂点から、イッシュ地方を見渡すことに夢を見ていた。
見上げても見上げ足りないほど大きくて色とりどりの観覧車は、夕焼けに溶け込むように穏やかにまわっている。
乗りて〜。だけどパートナー達はみんなこぞって眠ってしまったからなあ。おひとり様までして乗るのはちょっと勇気がいる。
チェレンと、ベルと、一緒に乗りたかった。
かわりに網膜に焼き付けて、またの機会にしようと踵を返そうとした私は、突如自身の右手首に触れたバカほど冷たい人肌の感覚に震えあがってしまった。
「マジカルバナナ？！」
焦りすぎて謎の単語を発しながら勢いよく背後を振り返る。するとすぐ背後にはいつかの変人、Nが立ち構えていた。
「やあ！A！」
「はあ？N？」
陰鬱そうな髪型でも涼しそうに、端麗な顔を機械的に綻ばせるN。白い歯を見せていてビジュアル的には百点満点。だが私は気分が急降下するのを感じた。
センチメンタルな雰囲気も、見事にガラガラと崩れていく音がきこえる。
オメーかよ。確かに観覧車に一緒に乗ってくれる相手は欲しかったけどもだ。相当なイケメンだけどだ。彼の纏う怪しげで不気味なオーラと密室になるのは危険すぎる。私が夢小説の純真愛され美少女ヒロインならば、観覧車で確実に大人向けなイベントが起こってしまうだろう。だがしかし、か弱いと勘違いして連れ込むが最期。母親直伝の卍固めで、向こうが不埒な動きを見せたとしても瞬パでKOできる自信に満ち溢れている。どうあがいてもスイートな展開は望めません。イエーイ。
調子のいいことを思いつつ、手を振りほどこうとすれども、何故かびくとも解けない。こんなひょろひょろのもやしみたいなくせに、案外力強いようだ。人目もなんかあるし、喚くもんなら私こそが変人になる。 目立たない程度に攻防戦を繰り返していたが、あれよあれよという間に、私はNの同伴で観覧車に乗せられていた。あれ〜？
終わり
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はおはお(プロフ) - 第五世代からポケモン始めた民なのですごく嬉しいです(>_<)更新頑張ってください！ (2017年10月21日 18時) (
レス) id: 17860e1883 (このIDを非表示/違反報告)
玲美(プロフ) - 久しぶりに、笑ったよｗｗｗ暫く、笑いが止まんなかった（笑）面白かったから・・・更新、頑張ってね！← (2017年8月26日 21時) (レス) id: 94d50e8693 (このIDを非表示/違反報告)
凜華(プロフ) - 凄く面白いです！！更新楽しみにしてます！頑張って下さい。 (2016年12月10日 22時) (レス) id: dad73132cb (このIDを非表示/違反報告)
Soul - 頑張ってください！ (2016年8月18日 14時) (レス) id: b52c6c4105 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜（女） - 頑張れです (2016年1月5日 22時) (レス) id: 2bf8696fce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：一文字 | 作者ホームページ：
作成日時：2014年10月5日 22時
