一番道路 ページ5
「A！早く早く！」
一番道路前には予想通り、チェレンもベルも既に足を揃えていた。私は二人の元へと足早に駆け寄る。一番道路を目前にして、立ち止まる私達に、やけにゴキゲンな様子のベルの代わってチェレンが口を開いた。
「ベルが、旅を始めるなら最初の一歩はみんながいいってね」
しょうがないから付き合ってあげるよ。チェレンは言う。だけどその声はいつもよりどこか浮ついていて。一番はしゃしでいる癖に、やけに大人ぶって振る舞うチェレンに、思わず私は生ぬるい目でにやつく。ぶすぶすと背中をつっついた。「え〜い、天邪鬼さんめ〜、可愛いとこあんじゃ〜ん」反応が古臭いのは私の悪い癖である。
「う、うるさいなぁ！」
チェレンの頬はかああと熟れた林檎のように赤くなった。どうやら図星だったらしい。私は如何せん調子乗りなので、そのままチェレンに抱きついて頭をぐしゃぐしゃに撫でてやった。するとチェレンはさらに真っ赤になって照れている。うぶなやつめ。私よりヒロインっぽい反応をするな。じゃれている私達の様子を見ていたベルがプッと吹き上げて、間もなくして穏やかな笑いが3人を包んだ。
さああ、と風が吹いて、青空に桃色の桜が吹き上げた。草木は生き生きと靡く。
目の前に広がる道。この先を進めるのは、旅に出る歳頃の少年少女だけ。ずっと昔からこの道に足を踏み入れることを、想像しては羨み、恋焦がれていたのだ。誰が、興奮しないでいれるというだろうか。
「それじゃ、行くよ！」
手を繋いで、顔を合わせて。せーのの掛け声で足を踏み入れる。その一歩は希望に満ち溢れていていた。
たった今、私達の旅は始まったのだ。
晴天の春空を見上げる。暖かい陽の光は、希望に満ち溢れた私達を優しく包む。腰ベルトの真新しいモンスターボールに触れれば、僅かに、それに答えるように震えた気がした。チェレンがメガネの淵を押し上げて、不敵に笑う。
「早速だけど、どれだけポケモンを捕まえたか勝負しようよ？」
「…いいよ」
私は得意げに帽子をくいっとあげてみせた。
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はおはお(プロフ) - 第五世代からポケモン始めた民なのですごく嬉しいです(>_<)更新頑張ってください！ (2017年10月21日 18時) (
レス) id: 17860e1883 (このIDを非表示/違反報告)
玲美(プロフ) - 久しぶりに、笑ったよｗｗｗ暫く、笑いが止まんなかった（笑）面白かったから・・・更新、頑張ってね！← (2017年8月26日 21時) (レス) id: 94d50e8693 (このIDを非表示/違反報告)
凜華(プロフ) - 凄く面白いです！！更新楽しみにしてます！頑張って下さい。 (2016年12月10日 22時) (レス) id: dad73132cb (このIDを非表示/違反報告)
Soul - 頑張ってください！ (2016年8月18日 14時) (レス) id: b52c6c4105 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜（女） - 頑張れです (2016年1月5日 22時) (レス) id: 2bf8696fce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：一文字 | 作者ホームページ：
作成日時：2014年10月5日 22時
