16時の書庫〈現在〉1 ページ17
16時の書庫〈現在〉
「先輩こっち！！」
「なっ何！？」
境界内に響く二人の声がAの意識を本から現実へと戻した。遠くから聞こえるナニモノからか逃げるような二人の走る音と声。"何かあったの？"と一人呟きながら本を片手に二人のもとへと向かった。
「大丈夫！？」
「Aちゃん！扉が開かないの！」
視界に二人の姿が見えたので大きな声で呼ぶと、寧々が反応する。扉のノブを引っ張っている光の姿と人ではない大きな影のようなモノが迫るように近づいていく様を確認すると"すぐ向かうから"と安心させるようAが叫ぶ。しかし、扉は開く気配がなく、影のようなモノは迫るばかり。
「間に合わせなきゃ」
必死に近づこうと走るがここが境界だからか、はたまた単純に遠いだけなのか頑張って近づこうとするのに近づけない。
「ちっくしょお！
来るなら来やがれ！！」
もう目と鼻のさきと影が近づくのを光が寧々を後ろに庇い、雷霆杖にバチバチと大きな音を立てた雷を纏わせる。投げつけるように"おらあ！！"と威勢の良い掛け声とともに杖を振るう。
しかし先程の勢いはどこに行ったのかシュウウウと風船のしぼむような音と小さな光虚しくぽっと前に進むだけだった。
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璃炎(プロフ) - 黒猫さん» ありがとうございます。出来るだけ早く更新していけたらと思っています。今後ともよろしくお願いいたします。 (2020年3月7日 9時) (
レス) id: 138083c01a (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 続き気になります！体調気をつけて更新頑張ってください！ (2020年3月7日 1時) (レス) id: fbc5b8317e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃炎 | 作者ホームページ：http://nanos.jp/lampyridae/page/1/
作成日時：2020年2月9日 11時
