最下位の再会 ページ34
緑谷は寮の付近のコンビニに入るとフゥと溜息をついた。
雄英の周りを外周するのは彼の日課であった。
いつもは幼馴染と鉢合わせするのだが何でも今日は職員室に呼び出されているらしい。
緑(ん、水高くて届かない・・・。)
運悪く水が品切れで仕方なく上の方いつもと違う種類の水に手を出そうとするが、どうにも届かない。
一生懸命背伸びをしていると、パッと白い華奢なそれでいて長い手が水へと伸ばされる。
腕の持ち主は出久に水を渡す。
緑「ありがとうございます。ッッ!!」
揺れるライムグリーン、あの忌々しいAFOと似たようなスーツ。
『どういたしまして。緑谷出久君?』
淀んだ瞳を細めたその人はゆっくりと微笑んだ。
どうして何で。
『フゥ。いきなりその反応は酷くないか?
いくら君の名前を知っていたからと言って、体育祭に出てたろ?君。
まぁ、いいさ。話がわかるのなら丁度良い、
外へ行こうか、新米巨悪と未来の平和の象徴がコンビニで立ち話とはあまりにロマンがないだろう?』
クックックッとさも可笑しいと言わんばかりに笑う彼女はおかしなことばかり言う。
そうこうしている間に彼女はサッサッと煙草を買うとコンビニの近くのベンチに座って、紫煙をくゆらせ始めた。
緑「姉、さん?」
一瞬その人はキョトンとした顔をすると大笑いし始めた。
『なんだ!君!そうゆうプレイがお好みなのか!?
いやぁ、驚いた、流石オールマイトの後継者。
私を姉さんなんて言う奴は弔以外じゃ、初めてだなぁ。』
良いよ。気に入った。
なんとでも呼ぶと良いさ。
緑「何、言ってるの?」
弔以外じゃ初めてだ。
気に入った。
まるでそれじゃあ、
初めて会ったみたいな口ぶりじゃないか。
緑「ねぇ、僕のことを覚えている?」
その人はニッコリと口元だけの笑みを作って、出久の頰にそっと手を滑らせた。
『あぁ、覚えているよ。君はオールマイトの後継者、2代目AFOである私が君を忘れることなど出来るはずが無い。
あの、爆豪勝己君。彼を救い出し、神野での我々の戦況を一気に悪化させた張本人、
そして何よりあの忌々しいオールマイトの力を扱うなんて。
あぁ!君をこの手で殺す日が待ち遠しくて夜も眠れない!』
恍惚とした表情の彼女に出久はカタカタと震えた。
姉さん、なんで、どーして?
僕のことを、かっちゃんのことを、
忘れてしまったの?
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かむかむ(プロフ) - Tyrant-unknownさん» リクエストありがとうございます!楽しんで貰えると嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2019年4月29日 23時) (レス) id: 09c547eef6 (このIDを非表示/違反報告)
Tyrant-unknown - お久しぶりです。またで申し訳ないですけどリクいいですか?弔くんと夢主ちゃんの恋人同士みたいなのがいいです。お願いします。名前が長ければTyrantでいいです。 (2019年4月29日 22時) (レス) id: f453f15264 (このIDを非表示/違反報告)
かむかむ(プロフ) - ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2019年4月4日 21時) (レス) id: 09c547eef6 (このIDを非表示/違反報告)
unknown - リクエスト受けてくださりありがとうございます。面白かったです。 (2019年4月4日 6時) (レス) id: f453f15264 (このIDを非表示/違反報告)
かむかむ(プロフ) - unknownさん» リクエストありがとうございます!楽しんで貰えると嬉しいです。これからも応援よろしくお願いします! (2019年4月3日 22時) (レス) id: 09c547eef6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かむかむ | 作成日時:2019年4月3日 0時