鉄帽子の遣い様は"偽り"を愛す <番外編>

日常(仮).3 ページ10

Aside



なんか、ある意味告白された気分。



獄寺の思った通り、僕は獄寺の想いも、その他の人の気持ちにも、気づいてた。

というか、主人公が皆鈍感なんてありきたりな展開、望むだけムダ。




A「(…そりゃあさ、嬉しいよ？)」




嬉しい…。


嬉しいんだけど…。



僕は誰とも付き合うつもりはない。


これも、獄寺が思った通りでしょ？




獄寺「…悪ぃな。」


A「……。」




何も言えない。


なんて言えばいいのか分からない。



こういうときって…何を言えばいいのかな？




A「(…獄寺が勝手に告って、勝手にフラれてるみたい…。)」




ちょっと笑いそう。


…でも流石にそれは空気読めねぇ奴だ。




…………。




A「…んっ！？

獄寺っ……ちょっ髪グッチャグチャなんだけど！？」



獄寺「別に良いだろ。元々だし。」


A「なんだとぉ！？」




さっきのしんみりした空気返せ！


そして僕の整えた髪戻せぇぇ！！



……くそぅ。やられた。




獄寺「ったく…煩ぇな。これでいいのか？」


A「え？

……おう。上手いじゃねーか。」←





僕が怒りだすのがそんなに嫌だったのか、綺麗に髪を戻してくれた。




…なんだこの男。


僕より手先器用なんじゃないか！？





A「…禿げろ。」←


獄寺「あ"ぁ？」




腹立ったから八つ当たり。


案の定怒られました。はい。




獄寺「A。」


A「んー？」



獄寺「…オレ、諦めねーかんな。」



A「……んー。」




いきなり真剣な声でそんな事言わないでほしいなぁ。



…不覚にもドキッとしちゃったぜ。




A「…頑張れ。」


獄寺「(他人事かよ。)」




こんなグダグダした日常が、僕の唯一の楽しみだったりする。



…ふへへ…楽しいなぁ。

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