鉄帽子の遣い様は"偽り"を愛す <番外編>

白と闇夜と星屑の.6 ページ33

ベル「…ししっ♪」





ﾍﾟﾛｯ




A「！…ひゃ…。」





頬を伝う涙を舐め取られる。




………。



…舐め…って………ん…？






A「(…舐め取ったぁ…！！？)」





…な、なんとまぁ……大胆な…。




ベル「しょっぱい♪」

A「当たり前でしょ…。」


マモ「……ムム…ベル、喧嘩売ってるのかい？」




マーモン君の真上でそんなやり取りが行われてる為、そりゃあ殺気が痛い痛い。



……でも…─






A「…クスッ…。」

ベル「！」


A「…あははっ…ふふ……っ。」




そんなバカみたいな光景が面白くて…お腹の底から、楽しいという感情が沸き上がってくる。

それは笑い声に変わり……僕の心を満たしていった。




ベル「………可愛い。」

マモ「………。」





彼らの喧嘩も収まり、二人とも、ほんのり頬を染めていた。





XAN「…分かったか。」

A「…？」


XAN「…お前が何を抱えてようが、オレ達は受け入れてやる。
………必ず、いつか話せ。」




有無を言わせない迫力。

けれど、どこか優しいその目を、僕は真っ直ぐ見つめ返す。





A「………はい。」





聞いてしまえば、傷つくのは自分なのだと、XANXASサンは、きっと気づいてる。

…その覚悟を受け止めるため…僕は、肯定した。






A「……いつか、ね。」






無責任な約束。

赤と白の、二つの歯車。



そのいつかは…意外と早くなる事も知らずに、少女はただ笑っていた。

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あずきいろ

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