鉄帽子の遣い様は"偽り"を愛す <番外編>

白と闇夜と星屑の.5 ページ32

ベル「……。」





ｷﾞｭｯ




A「！」




恋人繋ぎにされていた手に、力がこもる。

チラッと横目でベル君を見つめれば…髪の隙間から少し見える瞳と、目が合った。


…彼はいつものように"ししっ"と笑い…また景色を眺める。




A「(……綺麗な目。)」




こんな王子様…他にいないだろうけど……格好いいのは……認める…かも。


…んー……でもやっぱり…寒いな。





ﾊﾞｻｯ…



スク「寒いのかぁ？
それ貸してやるから、着てろぉ。」

A「……ぁ、はい。」




寒さで少し震える僕に…コートを少し乱暴に羽織らされる。

それは……とっても暖かくて…。




A「………。」





少し、胸が痛んでしまう。


…だって……





A「(…彼への裏切りに……なってしまうかな。)」




そんな考えが…頭を過る。

今までもこれからも…独りぼっちで生きて……いくつもの別れを繰り返すんだと…そう思ってた。



なのに…なんで…





A「(ここにいたいって………離れたくないって……思ってしまう…の。)」




……あれ…？


なんか…目、熱い…………なんで…？





XAN「…おい、」

A「……っ……はぃ…？」


XAN「……。」






…ﾁｭ…





A「！…ふっ…ぅ…。」




……泣いてる僕に、黙ってキスをするXANXASサン。

それを驚愕の表情で見つめるベル君やスクアーロさん達。


…あ、マーモン君、まだ僕の腕の中なんだけど…窒息してないかな。





A「…ふぁっ……。」

ベル「ぼ…ボス…？」

A「……？…？？/////」




僕の口が離され、顔が熱くなるのがわかった。


……………え、今…キスされたんだよ…ね？





XAN「……オレ達と居るってのに、他の事考えてんじゃねぇ。
今は、ただ受け入れていろ。」


A「……！」




………この人はホント……鋭い。

…僕は……どうするべきなのかな。





A「……………はいっ……。」





……？


あれ、僕…"はい"って言ってる…。





ベル「あー、ボスがA泣かせたー。」

マモ「さっきも泣いてたけどね。」

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