検索窓
今日:13 hit、昨日:0 hit、合計:12,228 hit

まだ気づけないこの想い.4 ページ4

雲雀side


A「人なんて、好きになりたくなかった。好きになるつもりも毛頭無かった…。

…けど…好きになっちゃった。」




この小動物は、今にも泣きそうな声で話していく。

でも、それを今止めたところで、何も変わらない気がした。




A「…好き…だったの…に…((ギュッ…え?」


雲雀「もういい。僕の前で泣かれてるなんて、気分悪いから。」




本当はこんなこと言うつもり無かった。


でも僕は、この小動物を優しく慰める言葉なんて知らない。




A「ふっ…くぅ…。」


雲雀「……。」




僕の制服に顔を押し付けてくる。


その制服に、涙が広がって湿ってきた。



…本来なら、咬み殺すところだけど、それを何故か出来ないでいる。




A「……?」

雲雀「…顔、あげないで。」




僕が今出来る事は、何も無い。


けど、頭を撫でることくらいは出来る。



雲雀「(…この娘は…まるで兎だ。)」



兎は寂しいから死ぬ。

君は…寂しいから泣く。



僕の掌に頭を預けて大人しくしている鬼灯A。




雲雀「……ん?」


A「…すぅ…すー……。」




…寝てる。


まったく…能天気なのかそうじゃないのか、分かったもんじゃない。



寝てしまった鬼灯Aを座らせ、その隣に僕も座り楽な体制をとった。





…コツン




雲雀「!」


A「……ん。」




僕の肩がこの娘に枕代わりに使われてる。



A「っ…。」

雲雀「?」



A「い…かな…で…。」




手を伸ばし、涙を流しながら空を掴む。




雲雀「…夢でも、泣いてるの?」




この小動物は、本当に人に頼る事がない。


弱さを見た事がない。



…いや、隠してるだけか。




A「く……助…けて…。」


雲雀「……君ほんと、何隠してるの。」




……今日は、その涙に免じて咬み殺さないであげるけど。




君の隠してる事も、まだ聞かない。


だから、僕の前ではもう泣かないでね。



……どうすればいいのか、分からなくなるから。




A「…へくしゅっ。」


雲雀「……。風邪引くでしょ。」




寒さで少し震える彼女の肩に腕を回し、引き寄せる。


こうすれば少しは暖かいはず。




雲雀「…いつかちゃんと言ってもらうから。」




君を喋らせるには君を負かせば良いだけでしょ。



……自然と口角が上がってしまう。




雲雀「…楽しみにしておくよ。君との戦闘。」



君の秘密を知るのは、僕だけで良い。

貴方に微笑む→←まだ気づけないこの想い.3


  • 金 運: ★☆☆☆☆
  • 恋愛運: ★★★☆☆
  • 健康運: ★★★★★
  • 全体運: ★★★☆☆

ラッキーカラー

あずきいろ


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (24 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
21人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

桜歌(プロフ) - 本編で予告していたとおり、新しく番外編追加しました〜〜。ちなみに更新したつもりで出来てませんでしたね…ゴメンナサイ (2018年9月26日 23時) (レス) id: ba9312f4a4 (このIDを非表示/違反報告)
桜歌 - ゆうさん» えっと…こんな感じにしてみました!いかがだったでしょうか?短編とかあんまり書かないんで、不満とかあったら言ってください (2017年4月1日 22時) (レス) id: 64520691b8 (このIDを非表示/違反報告)
桜歌 - ゆうさん» ありがとうございます!骸のお話ですね。わかりました。何とか試行錯誤してやってみます! (2017年3月31日 22時) (レス) id: 64520691b8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - はじめまして!とても面白いです!骸のお話とかって書けますか? (2017年3月31日 21時) (レス) id: 53ac7d2e58 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:桜歌 | 作成日時:2017年3月30日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。