ホントの気持ち.2 ページ12
A「……今日はウチに泊まってもらうね。明日には外に行けるから安心して。」
猫「にぃ〜。」
A「…クスクス。可愛い。」
そんな事を呟きながら、キッチンにあったであろう魚を取りに行く。
マグロとか…あったっけ?
トテトテ
A「えーっと…魚……。」
トテトテトテ
A「あっ、鮭見っけ。」
スリスリ
A「ん?」
猫「にぃぃ〜…。」
A「あれ、ついてきちゃったの?まだあんまり動いちゃダメだよ。」
鮭の入った手提げ袋を右腕にかけ、小さな身体を抱き上げる。
その時見えた仔猫の瞳は、綺麗な赤色をしていた。
…白い毛並みによく映える赤い目。
A「…君、僕によく似てるね。」
猫「にぃ?」
A「ふふ。なんでもないよ。」
まだ少し汚れてる白い毛を撫でながら、何も分かってない仔猫に微笑む。
A「鮭でいいでしょ?」
平たいお皿の上に、細かく切った鮭をのせる。
あんまり大きく切っちゃうと食べられないもんね。
猫「にぃ♪」
A「それ食べたあとはお風呂入って、包帯巻こうね。」
もちゃもちゃと鮭を貪る仔猫。
そんな光景を眺めながら、久方ぶりに優しい心を動かした自分を考える。
…なんで、仔猫なんて助けちゃったんだろうなぁ。
関係も何もないこんな猫を、何も必要にならないであろうこんな子を、何故助けた?
A「………なーんて。分かりきってるけどさぁ。」
理由なんて分かってる。
……この、小さな仔猫が、僕とよく似ていたからだ。
A「………。」
──見た目も。
──捨てられてたのも。
──希望なんて見えてない、あの目も。
A「(全部、似てたんだよ。)」
猫「…にー……。」
A「……自由なとこも、似てるんだね。」
鮭を食べ終えれば、静かに寝息をたてていた。
その間にお風呂で汚れを落とし、包帯も巻いておいた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
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桜歌(プロフ) - 本編で予告していたとおり、新しく番外編追加しました〜〜。ちなみに更新したつもりで出来てませんでしたね…ゴメンナサイ (2018年9月26日 23時) (レス) id: ba9312f4a4 (このIDを非表示/違反報告)
桜歌 - ゆうさん» えっと…こんな感じにしてみました!いかがだったでしょうか?短編とかあんまり書かないんで、不満とかあったら言ってください (2017年4月1日 22時) (レス) id: 64520691b8 (このIDを非表示/違反報告)
桜歌 - ゆうさん» ありがとうございます!骸のお話ですね。わかりました。何とか試行錯誤してやってみます! (2017年3月31日 22時) (レス) id: 64520691b8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - はじめまして!とても面白いです!骸のお話とかって書けますか? (2017年3月31日 21時) (レス) id: 53ac7d2e58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜歌 | 作成日時:2017年3月30日 10時