鉄帽子の遣い様は"偽り"を愛す <番外編>

まだ気づけないこの想い ページ1

雲雀side



雲雀「…。」




ここは並中の屋上。



放課後になった直後のため、

沢山の草食動物達が下校したり、部活に行ったりしている姿が目に入る。



はぁ…。




雲雀「(…目障り。)」




笑い合う声、群れている草食動物。


どれもこれも僕をイラつかせる。




雲雀「…つまらない。」




視線の中に群れを入れないように寝転ぶ。


そして心地良い風の中で少し眠ろうと思った。



……思った、けど、





男子「好きだ！」


「…え、は…はい？」




告白現場だったらしい。


いや、正確には僕が居ることに気づかず、勝手に告白してるだけなんだけど。




雲雀「(…まあ)」



誰であろうと、僕の眠りを妨げ、

群れてる草食動物は咬み殺す。




雲雀「…ねぇ。」


男子「！！？」




あからさまに怯える男子生徒。


それとは対照的に落ち着いた様子の女子生徒。




男子「ひ、雲雀さん！？

す、すみません！あ、A行こう！！」


A「う、うん…。」




僕が見下ろせる程の身長のAと呼ばれた特徴的な女子生徒。


その名前には、勿論聞き覚えがあるし、この見た目だ。間違うわけない。



白い髪に紅い毛先。

こんな人間、そうそう居ないし。




雲雀「(君は、僕に怯えたりしないからね。)」



時々、そういうつまらない行動にイラッとする時はある。


けど、今は何故かこの男子生徒に腹を立てている自分がいた。




A「…別に行くのは良いんだけど…。」


男子「…？」

A「先に告白、断っておいても…いいかな？」

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