雨恋い【リヴァイ】 (ページ3)

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雨の日だけの特別な日課を重ねるうち、自主練の邪魔でしかない嫌で仕方なかった雨の日が、案外少ないものであったことをAは思い知る。

「今日も快晴…」

眩いほどに輝く太陽を見つめながら、Aは数多い日課のひとつ、朝のランニングを淡々とこなしていた。

「…！」

じっくりと太陽を見つめてしまったせいではっきりとしない視界の中、最近親睦を深めつつあるリヴァイの姿を見た気がして、Aは「おはようございます！」と人影に向かって駆け寄る。

「……お前…、睡眠はちゃんと取ってるのか？」

最初は怖かったリヴァイの無愛想さも、その中の隠しきれない深く大きな優しさに気付いてからは、それもリヴァイの大切な魅力だとAは嬉しそうな笑顔をみせる。

「とってますよ！きっちり4時間！」
「…少なすぎるだろうが」

そう言って隠すことなく眉間にシワを寄せたリヴァイに腕を掴まれ、訳もわからず歩かされるうち、Aは行き先がリヴァイの部屋であることに気付いて、その真意をはかろうとリヴァイを見つめるも、不機嫌そうな仏頂面からは何も読み取ることができなかった。

「へ、兵長…？」

何も分からないままリヴァイの部屋に連れられ、リヴァイのものであろうベッドに引き倒されると、Aは遅れてやってきた危機感に喉の奥が狭く苦しくなるのを感じながら、相変わらず感情の読めないリヴァイの瞳をじっと見つめる。

「起こしてやるから、時間まで寝とけ」
「…へ、」
「睡眠不足は、判断力低下のもとだ。努力は否定しねぇが、少しは自分を大事にしろ」

そう言って、もう寝ろ、とでも言わんばかりに大きくて温かな手がAの目を覆って、布団をそっと肩まで掛けてくれる。

「…柔らかい…」
「毎日この布団で寝たきゃ、さっさと強くなって昇格を目指すことだな」

今まで聞いた中で一番優しいような気がする声を聞きながら、Aはリヴァイの言った通り睡眠が足りていなかったのか、あっという間に微睡の中に落ちていった。