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「…最近、俺の考えてることが上手くAに伝わってねぇみたいなんだ」


山菜をとりにきた帰りだと言う爺さんが伊之助の元を訪ねてくれて、そんな爺さんに伊之助は、最近一番の悩みごとを吐露する。


「沢山言葉を覚えたのに、未だにかわいいと好きの違いも分からねぇし…」


どこかしょぼくれた様子でそう言った伊之助に爺さんはニヤリと笑って、「しばらく見ねぇ間に、随分と人間らしくなったじゃねぇか」と伊之助の背中を叩く。


「…。会いに行かなかったこと、怒ってるか?…Aが来たとき、俺が居なかったら悲しい?…寂しい?と思ってよ…」
「はは、怒るはずがねぇだろ?友達と仲良くやってるようで、むしろ嬉しいぞ」


ガシガシと爺さんが伊之助の頭を撫でると、嬉しそうな表情でほんのりと頬を染めた伊之助に、「おお!」と爺さんは驚いたように伊之助の顔をのぞき込む。


「なんだお前!可愛いじゃねぇかぁ!」


そう言って勢いよく伊之助を抱き寄せた爺さんは、「そうか、…そうかぁ、」とほんの少し声を震わせる。


「…じいちゃん?」
「なぁ伊之助。…お前、もちろん俺のことは好きだろ?」
「ああ!」
「…で、嬢ちゃんのことは、俺よりももっと好きだろ?」


爺さんの言葉に「もっと?」と首をかしげた伊之助に、「俺か嬢ちゃん、選ぶとしたら嬢ちゃんだろう」と爺さんは笑みをみせる。


「…たしかに、一人しか選べないならAだな」


伊之助の返答に爺さんは満足そうにうなづいて、「じゃあ、何故選ぶなら嬢ちゃんなんだ?」と伊之助と視線を合わせる。


「なぜ…、好きも、会えて嬉しいも、じいちゃんよりAの方が大きいから、だな!」


合ってるだろ、と言いたげにキラキラした瞳を爺さんに向けた伊之助は、「あとは、じいちゃんと居るときはホワホワだけだが、Aと居るときはそれだけじゃなくここがソワソワーってなる時があるんだ!」と己の胸に手を当てる。


「じいちゃんには感じたことがねぇから、これがかわいいなんじゃねぇかと思うんだ!」
「…ああ、そうかもしれねぇなぁ」
「だが、Aに褒められたときもなるから、かわいいとは少し違うような…?」
「はは、ゆっくり考えればいい」


爺さんの言葉に笑顔でうなづいて、伊之助は「やっぱりじいちゃんは、頼りになる、だな!」と明るく笑った。

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チーズ(プロフ) - 唄子さん» コメントありがとうございます!そしてお返事遅くなり申し訳ありませんm(_ _)m嬉しいお言葉をありがとうございます!! (2023年4月10日 3時) (レス) id: 3890fde5bc (このIDを非表示/違反報告)
唄子 - 胸がキュンキュンです (2022年8月10日 21時) (レス) @page37 id: 585502c22b (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - ナギサさん» コメントありがとうございます!伊之助の良さが表現できていたようで嬉しいです!ご期待に添えるように頑張りますので、よろしくお願いします(^^) (2020年12月9日 15時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
ナギサ(プロフ) - 伊之助のこの男らしさと可愛さが混ざった表現を…ごちそうさまです。続き楽しみに待ってます (2020年12月9日 6時) (レス) id: 4d18708d8c (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - しがれっとさん» 嬉しすぎるお言葉ありがとうございます〜!!お兄様いいですよね!歳の離れた妹を溺愛しつつ、厳しいところは厳しい、しっかりしたお兄様でございます(^ω^) (2020年12月7日 18時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:チーズ | 作成日時:2020年11月24日 18時

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