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「…せっかく優しくしてあげたのに。…もうあげない」
「もっとほしい!」
「絶対嫌」
「…無一郎は、もっと痛いこと私にするくせに」


Aの言葉に盛大に顔をしかめた無一郎は、「じゃあもっとあげるから、痛いことさせて」とAに迫る。


「嫌。…私、何日も何も食べてないんだよ」
「だから何?」
「傷が塞がらなかったら、痛いじゃん。私ばっかり大変な思いして、ずるいよ」
「僕だって、舌噛まれたり傷口抉られたり、十分痛いと思うけど?」
「私のが痛い!」


珍しく反抗的なAに不機嫌さを隠そうともしない無一郎は、勢いよくAの首筋に噛み付いて血が滲むほど強く歯を突き立てる。


「いっ、」
「…不味い」


そう言って今度はAに口付けた無一郎は、Aの舌で血を拭うように擦り付けたあと、静かに唇を離す。


「…全然美味しくない。…こんなの、よく美味しいとか言えるね」
「私は美味しいもん」
「自分の血も美味しかった?」
「…不味かった」


Aの返答に面白そうに笑った無一郎は、「Aの血が特別不味いのか」と笑い声をこぼす。


「違うよ、無一郎の血が特別美味しいの」


Aの言葉に驚いたような表情をみせた無一郎は、一転機嫌良さげに笑って「そんなに僕の血が好き?」と首をかしげる。


「うん、好き」
「ふふ」


Aの返答がお気に召したらしく、笑みを深めた無一郎は、「可愛い子には、特別」と傷口をAの唇に押し当てる。


「!」


嬉しそうに笑って傷口に吸い付いたAを見て楽しそうに笑う無一郎に、Aは痛いことをされずに血がもらえたことを嬉しく思いながら、久しぶりの無一郎の甘い味にうっとりと酔いしれた。

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チーズ(プロフ) - alice roseさん» コメントありがとうございます!そして嬉しいお言葉までありがとうございます!!これからも沢山ニヤニヤしていただけるように頑張ります!(笑)よろしくお願いしますm(__)m (2020年11月5日 18時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
alice rose - 控えめに言って最高です!いつもニヤニヤしながら読んでいます、これからも無理せず頑張って下さい!応援しています(≧∀≦) (2020年11月3日 21時) (レス) id: a666e6cc6f (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - まいまいさん» コメントありがとうございます!最高すぎるだなんて、嬉しいです!ちょうど更新しましたー!これからもよろしくお願いしますm(__)m (2020年11月3日 19時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
まいまい - 最高すぎます!!更新まってます! (2020年11月3日 19時) (レス) id: 194af2ccd7 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - ????なしさん» コメントありがとうございます!神!?なんと有難いお言葉、、!!頑張って書きますので、これからもよろしくお願いしますm(__)m (2020年11月2日 20時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:チーズ | 作成日時:2020年10月20日 19時

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