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「…酷い」
「何言ってるの?自分も気持ちよくなってたくせに」


にっこりと笑いながらそう言う無一郎に、「い、痛かったよ、すごく!」とAは無一郎に背を向ける。


「…悪い子にはご褒美あげないよ」


無一郎の言葉に慌てて無一郎を振り向いたAは、「…いい子だもん」と眉を下げて無一郎に目を向ける。


「いい子って言うのは、素直な可愛い子のことを言うの」
「私のこと、無一郎はいつも可愛いって言ってるよ」
「でも今は可愛くない」


無一郎の言葉にさらに眉を下げて唇を震わせたAは、物言いたげな瞳を無一郎に向けて、無言のままポロポロと涙を流す。


「…はは、泣くほど僕の血が欲しいんだ?」
「どうせくれないんでしょ」
「ううん。可愛いから特別にあげる」
「さっき可愛くないって、」


Aの言葉を遮るように唇を塞いだ無一郎は、自分で自分の舌に歯を立てて不味い血の味と痛みに顔を歪める。


「っ、」


そのあとすぐ、無一郎の血に誘われるように無一郎の口内に舌を差し入れたAは、唾液ごと無一郎の血を嚥下した。


「…美味しい?」
「ん、もっとほしい…」
「駄目。今日は痛いことしてないでしょ」
「痛かったよ」
「…駄目」
「じゃあ痛くしてもいいから、もっとちょうだい」


Aの言葉に途端に楽しそうに口角を上げた無一郎は、「…じゃあ、自分で動いてみてよ」とAを自分の上に跨らせる。


「なっ、」
「痛いんだもんね?…まさか一人で勝手に気持ちよくなったりしないよね?」


にこにこと楽しそうに笑う無一郎に目を見開いて顔を真っ赤にしたAに、無一郎は「ほら。ご褒美ほしくないの?」と笑みを深める。


「〜っ、」


ご褒美、という抗えない甘い蜜を目の前にぶら下げられて、素直に無一郎の言葉に従うAを見つめる無一郎の表情は、鬼であるAより余程、本物の鬼らしかった。

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チーズ(プロフ) - alice roseさん» コメントありがとうございます!そして嬉しいお言葉までありがとうございます!!これからも沢山ニヤニヤしていただけるように頑張ります!(笑)よろしくお願いしますm(__)m (2020年11月5日 18時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
alice rose - 控えめに言って最高です!いつもニヤニヤしながら読んでいます、これからも無理せず頑張って下さい!応援しています(≧∀≦) (2020年11月3日 21時) (レス) id: a666e6cc6f (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - まいまいさん» コメントありがとうございます!最高すぎるだなんて、嬉しいです!ちょうど更新しましたー!これからもよろしくお願いしますm(__)m (2020年11月3日 19時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
まいまい - 最高すぎます!!更新まってます! (2020年11月3日 19時) (レス) id: 194af2ccd7 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - ????なしさん» コメントありがとうございます!神!?なんと有難いお言葉、、!!頑張って書きますので、これからもよろしくお願いしますm(__)m (2020年11月2日 20時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:チーズ | 作成日時:2020年10月20日 19時

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