6 ページ6
・
逃げちゃ駄目だよ、と言葉を残して無一郎が出て行ってからどれくらい経ったのか、Aは何もすることがなく部屋の中の物を物色し始める。
「…着物だ」
男の人にしては綺麗に整えられている箪笥の中から着物を取り出したAは、その着物から漂う無一郎の匂いに、思わずその着物を鼻に押し付ける。
「…いい匂い」
数日ずっと一緒にいたからか、何となく落ち着く匂いを胸いっぱいに吸い込んだとき、「…変態」と耳元で無一郎の声が聞こえて、Aは驚きに身体を震わせる。
「む、無一郎…!」
「そんなに僕が恋しかったの?」
「ち、ちがっ!」
Aの言葉など聞こえていないかのように乱雑にAを押し倒し、そのまま無理やりその中へと押し入った無一郎は、痛みに顔を歪めるAに嬉しそうに表情を緩める。
「Aは本当に可愛いね」
「〜っ、」
無一郎が動くたびに堪らなく痛いのに、無一郎から向けられる瞳は底無しに優しくて、Aは思わず漏れそうになる声を唇を噛み締めて我慢する。
「っ、んぅ、」
「…まさか、気持ちいいの?」
慌てて首を横に振ってAが無一郎から顔を背けると、顎を掴まれ無理やり視線を合わせられ、一連の乱雑さとは裏腹に優しく唇を食まれる。
「!」
まるで想い合っている者同士のような甘い口付けにだんだんとAの身体が熱を持ち始めた頃、Aから唇を離した無一郎は、Aを見つめたままゆっくりと瞳を細めた。
455人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
チーズ(プロフ) - alice roseさん» コメントありがとうございます!そして嬉しいお言葉までありがとうございます!!これからも沢山ニヤニヤしていただけるように頑張ります!(笑)よろしくお願いしますm(__)m (2020年11月5日 18時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
alice rose - 控えめに言って最高です!いつもニヤニヤしながら読んでいます、これからも無理せず頑張って下さい!応援しています(≧∀≦) (2020年11月3日 21時) (レス) id: a666e6cc6f (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - まいまいさん» コメントありがとうございます!最高すぎるだなんて、嬉しいです!ちょうど更新しましたー!これからもよろしくお願いしますm(__)m (2020年11月3日 19時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
まいまい - 最高すぎます!!更新まってます! (2020年11月3日 19時) (レス) id: 194af2ccd7 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - ????なしさん» コメントありがとうございます!神!?なんと有難いお言葉、、!!頑張って書きますので、これからもよろしくお願いしますm(__)m (2020年11月2日 20時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:チーズ | 作成日時:2020年10月20日 19時