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「い、いたっ、」


Aはようやく、強烈な何かが痛みだと気付いてその根源に視線を向けると、太ももに深々と小刀が刺さっていて、意味が分からず無一郎に目を向ける。


「ふふっ、…ごめんね、痛いよね?」
「〜!」


Aを労わるような言葉をかけながら傷口を抉るように刀を前後左右に動かして、痛みのあまり声も出せず必死に自分にしがみ付いてくるAを、無一郎は愛おしそうな表情で優しく抱きしめる。


「や、やめっ…」


無一郎にしがみ付いたまま無一郎を見上げたAは、震える声で何とかそう自分の意思を言葉にして、大粒の涙をこぼしながら無一郎を見つめる。


「〜っ、たまらないね、その表情」


そのままそっと唇を重ねられて優しく舌を絡めとられ、Aは無一郎が酷いのか優しいのか分からなくなってきて、足の痛みよりも無一郎に与えられる甘い刺激に意識が向く。


「…噛んでいいよ」


口付けの合間にそんなことを囁かれて、あの甘い蜜の味を思い出したAは、考えるより先に無一郎の舌に歯を立てていた。


「ん、」


痛みからか、びくりと震える無一郎の身体に唇を離そうとして、Aは自分の足の痛みを思い出しせめてもの仕返しにとさらに深く歯を突き立てる。


「っ、」


無一郎が痛みで息を飲んだのを感じとって、どこか充足感のようなものを感じたAは、舌先で何度も傷口を撫でて滲んでくる甘いものを喉の奥に受け入れる。


「…、そんなにがっつかないでよ」
「だって、美味しいから…」


まだ足りないのか、それだけ言って再び無一郎に唇を重ねるAは、懸命に甘い蜜を貪っているうちに、いつの間にかあれだけ辛かった足の傷口の痛みは、綺麗に塞がって無くなっていた。

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チーズ(プロフ) - alice roseさん» コメントありがとうございます!そして嬉しいお言葉までありがとうございます!!これからも沢山ニヤニヤしていただけるように頑張ります!(笑)よろしくお願いしますm(__)m (2020年11月5日 18時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
alice rose - 控えめに言って最高です!いつもニヤニヤしながら読んでいます、これからも無理せず頑張って下さい!応援しています(≧∀≦) (2020年11月3日 21時) (レス) id: a666e6cc6f (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - まいまいさん» コメントありがとうございます!最高すぎるだなんて、嬉しいです!ちょうど更新しましたー!これからもよろしくお願いしますm(__)m (2020年11月3日 19時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
まいまい - 最高すぎます!!更新まってます! (2020年11月3日 19時) (レス) id: 194af2ccd7 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - ????なしさん» コメントありがとうございます!神!?なんと有難いお言葉、、!!頑張って書きますので、これからもよろしくお願いしますm(__)m (2020年11月2日 20時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:チーズ | 作成日時:2020年10月20日 19時

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