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「…痛いぃ…」
一緒にお風呂へ入り部屋に戻って、やっと血が止まった程度にしか回復しない傷に、Aはぐずぐずと泣きべそをかいて、無一郎にすり寄る。
「んー。…酷いことした自覚はあるけど、僕明日も朝から任務だから、あんまり血はあげたくないんだよね」
「お腹減ったぁ…」
ちゅ、ちゅ、と無一郎の首筋に吸い付くAはまるで求愛でもしているかのようで、もちろん悪い気はしない無一郎は「仕方ないなぁ」とAの髪にゆっくりと指を通す。
「…少しだけだよ?」
「うんっ、少しだけっ!」
嬉しそうにうなづいたAはがぶりと無一郎に噛みついて、喉を鳴らして血を飲み込む。
「…ん、…ふふ」
余程嬉しかったのか笑い声を漏らしたAは、一応少しという約束を守る気はあるらしく、それ以上は吸い付くことはせずに傷口から滲んできた血をぺろぺろと舐める。
「くすぐったい」
「…駄目?」
「…、僕もう眠い」
「寝ててもいいよ?」
「やだよ。僕が寝てる間に吸い付くされそう…」
そう言ってる間にも、目蓋を重そうに閉じたり開けたりを繰り返している無一郎は、遂にはAから離れて布団に潜り込んでしまう。
「…ああっ、まだ血出てるのに、」
「んー、」
相当に眠かったらしく、そのまま眠ってしまった無一郎に、Aは試しに息を殺しながら首筋をちろりと舐めてみる。
「…ん、」
ほんの小さな声をあげるものの起きない無一郎に、Aはにんまりと笑みを浮かべて、静かに無一郎と同じ布団に潜り込んだ。
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チーズ(プロフ) - alice roseさん» コメントありがとうございます!そして嬉しいお言葉までありがとうございます!!これからも沢山ニヤニヤしていただけるように頑張ります!(笑)よろしくお願いしますm(__)m (2020年11月5日 18時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
alice rose - 控えめに言って最高です!いつもニヤニヤしながら読んでいます、これからも無理せず頑張って下さい!応援しています(≧∀≦) (2020年11月3日 21時) (レス) id: a666e6cc6f (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - まいまいさん» コメントありがとうございます!最高すぎるだなんて、嬉しいです!ちょうど更新しましたー!これからもよろしくお願いしますm(__)m (2020年11月3日 19時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
まいまい - 最高すぎます!!更新まってます! (2020年11月3日 19時) (レス) id: 194af2ccd7 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - ????なしさん» コメントありがとうございます!神!?なんと有難いお言葉、、!!頑張って書きますので、これからもよろしくお願いしますm(__)m (2020年11月2日 20時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チーズ | 作成日時:2020年10月20日 19時