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「痛いっ!」
「痛くしてるんだよ」
無一郎に抱き抱えられて屋敷へと戻ってきたAは、玄関にそのまま落とされ傷口に指を突っ込まれ、悲痛の声をあげる。
「ああそうだ。悪いことするこの足は、もういらないよね?」
そう言って太ももに刀を突き立てられれば、Aはお腹の痛みも相まって一瞬意識が遠のく。
「ああっ!」
そのまま本当に切り落とされてしまった右脚に、Aは本能的に命の危険を感じて無意識に後ずさる。
「逃げるなって言っただろ」
「ひっ、」
Aを引き止めるように左足にも刀を突き刺した無一郎は、「こっちもいらないみたいだね」と貼り付けたような笑みを浮かべる。
「…っ、」
唇を震わせながら涙を流すAにほんの少しだけ表情をやわらげた無一郎は、突然気が変わったらしく、「言い訳くらいは聞いてあげようか」とAの左足から刀を引き抜く。
「っ、ちゃんと、いい子にしてたっ…!」
そう言いながら、無一郎の冷たい視線から逃げるように無一郎に抱きついたAは、「ちゃんと、待ってたのに、」と本格的に泣き始めてしまう。
「屋敷から出るのは、待ってたって言わないでしょ」
「それは、お腹減ったから…!」
相変わらず向けられる視線は冷たくて、足もお腹も痛いのに、それでも鼻腔を通り抜ける無一郎の匂いにどこか安心してしまって、Aは訳が分からず溢れる涙が止まらなくなる。
「無一郎に会えて嬉しかったのにっ…、怒らないでよぉ…」
「…、…Aって、本当に馬鹿なんだね」
そう言ってAの太ももの傷に爪を突き立てた無一郎は、「こんなことする僕に会えて嬉しいだなんて…どうかしてるんじゃない」と一瞬だけ瞳を揺らす。
「っ、私が好きなのは、優しい無一郎だもん」
「…じゃあ今日は、絶対優しくしてあげない」
そう言いながらも無一郎がAに与えたのは、痛みではなく甘い甘い温かなものだった。
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チーズ(プロフ) - alice roseさん» コメントありがとうございます!そして嬉しいお言葉までありがとうございます!!これからも沢山ニヤニヤしていただけるように頑張ります!(笑)よろしくお願いしますm(__)m (2020年11月5日 18時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
alice rose - 控えめに言って最高です!いつもニヤニヤしながら読んでいます、これからも無理せず頑張って下さい!応援しています(≧∀≦) (2020年11月3日 21時) (レス) id: a666e6cc6f (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - まいまいさん» コメントありがとうございます!最高すぎるだなんて、嬉しいです!ちょうど更新しましたー!これからもよろしくお願いしますm(__)m (2020年11月3日 19時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
まいまい - 最高すぎます!!更新まってます! (2020年11月3日 19時) (レス) id: 194af2ccd7 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - ????なしさん» コメントありがとうございます!神!?なんと有難いお言葉、、!!頑張って書きますので、これからもよろしくお願いしますm(__)m (2020年11月2日 20時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チーズ | 作成日時:2020年10月20日 19時