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散々自分の血を吸われ、無理やりたくさんの月彦の血も飲まされたAは翌日、激しい身体の痛みと嘔吐に見舞われていた。

「んぐ、ゴホッ、」
「A」

何百年ぶりに見るAの体調不良に、しおらしくAを見つめて心配そうな表情を見せる月彦は、すぐに温くなってしまうAの額に乗せている布を、何度も水に浸しては絞り、Aの額に乗せ直す。

「私の血は、お前には毒なのか」
「毒などと、まさか…んぐっ、」

Aが吐き戻したものを月彦は桶で受け止め、すぐにAの口を手拭いで拭いてやる。

「私は死にかけのお前に、自分の血を飲ませた。その時も苦しんでいたが、目を覚ましたあとは私と同じになっていたから、てっきり薬になるのだとばかり思っていたが…」

難しい表情でそう言った月彦の言葉の意味がよく分からないAは、「私がこれほどまで永く月彦さまと共に生きられるのは、月彦さまのおかげなのですね」と微笑むと、そのまま体力の限界を迎えたのか、静かに深い眠りへと落ちてしまう。


よほど苦しいのか、息も浅く唸り声をあげながら眠るAの身体を優しく拭いてやり着替えさせたあと、月彦もその隣で横になり、一緒になって眠りにつく。

あの時一緒になって眠らなければ。
Aから目を離していなければ。
月彦が何度も考えた、唯一のもしもと後悔だった。

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チーズ(プロフ) - manayattiさん» コメントありがとうございます!嬉しいお言葉をありがとうございますー!!こちらこそ、最後まで読んでいただきありがとうございましたm(__)m (2020年12月26日 22時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
manayatti(プロフ) - とても美しすぎて儚すぎる結末に声が出ないくらい涙しました。素敵な作品をありがとうございます。 (2020年12月26日 2時) (レス) id: 1471b15ec3 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - 草薙@sadist_nagiさん» コメントありがとうございます!そして最後まで読んでいただきありがとうございました!かく言う私も、目から大量の海水をこぼしながらこの作品を書きました、、自分で言うのもあれですが、本当に切ない結末ですよね(;ω;) (2020年12月25日 15時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
草薙@sadist_nagi - …あれ…目から海水が(( (2020年12月25日 14時) (レス) id: b78cc7195a (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - ゆうこさん» コメントありがとうございます!もちろん気付きました〜!そんな風に言っていただけて嬉しいです!最後まで読んでいただきありがとうございましたm(__)m (2020年11月11日 23時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:チーズ | 作成日時:2019年11月29日 19時

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